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- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第171号 11兆8千億円
この数字は、2015 年度までの国内消費者向け電子取引(EC) の市場規模予測である ( 野村総研発表)。
スマートフォンや携帯電話に対応する通販サイトが増加していることから、モバイル単体の通販市場規模が、2.5 兆円に達する見込みで、今後もモバイルが市場全体を牽引していく様相だ。
ただ、ネット通販市場は、これまで二桁成長を維持してきただけに成熟も早く、成長スピードは鈍化すると見られている。
だが私は、この数値を上回る14 兆円程度までEC 市場は拡大すると考えている。その理由は、EC市場が他産業に比べ急拡大しているとはいえ、消費全体に占める割合は2.5%弱にすぎないからだ。
米国の5~6%台と比べても、日本の水準はまだ低く、拡大の余地は大きいと見るべきである。また、小売業各社もネット通販事業を積極的に展開しており、こちらの市場規模が急速に成長していることも、その理由の一つだ。
スーパーやコンビニなどの総合小売や、ヤマダ電機などの家電量販店、アパレル専門店、千趣会をはじめとするカタログ通販大手、そしてテレビ通販会社などを含む、主要40 社の2013年度のネット通販売上高合計は、1 兆円を超える見通しとなっている。
たとえばネット販売額が最も多いセブン&アイの13 年度の売上高は、2 倍の1,500 億円の見込みで、ビッグカメラは70%増の600 億円、ヨドバシカメラは50% 増の500 億円、良品計画は40% 増の118 億円、そして高島屋は2 倍の100 億円と、軒並み急増している。
このように大手小売企業は、従来の小売からインターネット販売へと急速にシフトしており、物流拠点の開設・増強や、有力通販サイトの買収、ネットを主体としたビジネスモデルの再構築など、各社とも目を見張る資本投下を行っている。
昨年から、スマホやタブレットなどのモバイル機器がかなり普及しており、それに伴って、インターネットの通信速度や利用環境も進化している。
野村総研によると、ECにおけるパソコン利用は頭打ちで、今後の市場拡大は、モバイル経由がメインになるという。我々も、スマホ・タブレット時代に備え、今までに以上にネット技術や人材育成に取り組まなくてはならない。