menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第267号 DM発送の最適化を図る「顧客管理システム」

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 最近、顧問先企業から、DM発送時の顧客絞り込みについて、多くの質問を受けるようになった。これは、ネット顧客に対しても紙媒体でリピーター化を図っている通販企業が増えていること、そしてコスト削減に向けDM発送先を絞り込んで費用対効果を高めたいものの、その絞込みにより売上減となるリスクが高くなること等々、以前にも増して、顧客セグメントが難しくなっていること が主な理由である。

 この「DM発送の最適化」については、大手通販企業も新たな取り組みにチャレンジしている。一例をあげると、ディノス・セシールでは、今年8月、顧客の購入商品に合わせた小冊子『Like it!』の配布をスタートさせている。これはECとカタログ・DMなどの紙媒体をリアルタイムで連携させたCRMの試みで、通販サイトでの購入履歴をAI(人工知能)で分析し、購入した商品の類似アイテムによる旬のコーディネート情報と、その着こなしを再現する自社商品の提案を、顧客別の内容に構成。その表紙には顧客名や過去に購入した商品も印刷して送付するというパーソナル化されたサービスである。第一弾では、売れ筋130点のアイテムを購入した約2万人の中から1万人に『Like it!』を配布し、未配布の残り1万人と比較した効果検証を行うという。

 この取り組みから、我々中小通販企業が学ぶべきことは、 まずは顧客管理システムの抜本的な見直しである。ここ数年、売上が伸びない企業は、このあたりがボトルネックになっているケースが多い。もちろんRFMよる分析により顧客セグメントはなされているだろうが、今後は、ECと紙媒体を連携させた環境で、顧客管理システムを運用することが必須となる。また、よりパーソナル化されたDM発送において、収益面の向上を図るためには、AIの活用が当たり前という時代がやってくる。このようなツールを活用しなければ通販事業が立ち行かなくなる未来が、すぐそこまで来ているのである。

第266号 777商品前のページ

第268号 通販ビジネスの「1・5・4の法則」次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連記事

  1. 第139号 マーケティング3.0を考える

  2. 第280号 3兆5,411億円

  3. 第236号 地方企業こそ、協業と公的支援の活用を

最新の経営コラム

  1. 第50講 カスタマーハラスメント対策の実務策㊲『出るところに出る!』第2部

  2. 「展示会の見せ方・次の見どころ」(2025年12月)

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2025年12月10日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. サービス

    127軒目 「《”博多・四天王”の小野孝さんが料理する》...
  2. マネジメント

    第31回 『二番打者と四番打者』
  3. 人間学・古典

    第68講 「帝王学その18」 才は才なり。人となりを顧みるに、人の上に在らしめん...
  4. 製造業

    第255号 東証一部の隠れた高収益企業・チノーのチョコ案改善とは
  5. 不動産

    第21回 顧客の声やアンケートを「金科玉条」にせず、分析する事
keyboard_arrow_up