menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第235号 新市場を開拓する「通販専用商品」

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 通販に新規参入した食品メーカーが、通販ルートに限定した「通販専用商品」に力を注いでいる。この傾向はB to B、B to C においても顕著で、“ここでしか買えない”という限定感、プレミアム感を付加し、流通する一般食品との差別化を図っている。
 
 たとえばハウス食品は、アスクルのネット通販サイト「ロハコ」と組み、ロハコが販売するお米に合うように開発したレトルトカレーを「ロハコ専用商品」として昨秋から販売している。ハウスが市販するレトルトカレーよりも肉の味を強めた製法で、パッケージも商品名を小さくするなど、一見カレーに見えないデザイン性の高いものにし、一般商品との違いを鮮明にしている。
 
 またカゴメは、昨年10 月、ネット通販の新ブランド「農園応援」を立ち上げ、好調なスタートを切っている。従来のカゴメの通販サイトで扱っているのは、野菜ジュースやサプリなどだが、農園応援では、地域に眠る特色ある生鮮野菜や果物を販売。栽培の様子を伝える動画なども活用して、農家とともに商品を紹介し、食材に安心感や物語性を求める消費者にアピールしている。そして日清食品は、人気アニメなどと組んでカップヌードルのネット限定商品を販売し、カップヌードルをあまり食べない若年層を獲得する狙いだ。
 
 このように、デザイン性の高いパッケージにしたり、生産者の思い入れを紹介したり、特別感を演出したりして、一般商品にはない特徴を持たせた「通販専用商品」をラインナップし、既存チャネルでは手薄だった顧客層の拡充を図っている。各社とも食品メーカーならではの商品開発と企画力を活かし、コラボレーションにより新市場を創造している好例と言えよう。
 
 
 
 
書籍 白川博司著 『中国通販成功マニュアル』 好評発売中

第234号 1兆8,700億円前のページ

第236号 地方企業こそ、協業と公的支援の活用を次のページ

関連記事

  1. 第223号 通販ビジネスと「エシカル消費」

  2. 第154号 主戦場はパソコンからスマホヘ

  3. 第277号 スマホ時代にすべきこと

最新の経営コラム

  1. 第29回 地方で作って都心で売っている

  2. SNS時代だからこそ、心を込めて届けるアナログ〈手書き〉に価値がある

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年10月2日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第280回 経営は「逃げるが負け」
  2. キーワード

    第19回 中国・自動運転車ベンチャー
  3. マネジメント

    第二十七話 良くも悪くも自己責任(シン・ネットワーク)
  4. 経済・株式・資産

    第48回「資産運用に重要な情報分析の視点」
  5. 経済・株式・資産

    第124話 世界経済は同時減速から同時不況に転じるか?
keyboard_arrow_up