商品原価率をいかに低くして、粗利益の最大化を図るか―。これはメーカーだけでなく、どんな業界においても重要なテーマである。これに関連して、通販ビジネスには「3・3・4の法則」というものがある。商品原価3割、販促経費3割、その他の経費&利益が4割という、通販商材全般に通用する基本的な割合である。
だが、健康食品や化粧品、通信教育関連の商材となると、この割合は「1・5・4」に変わってくる。これらの商材は、顧客に十分理解・納得してもらうために、ランディングページや情報誌、冊子制作など、各チャネルにおいて多くの媒体コストがかかるため、販促経費を5割とするのが妥当なのだ。販売促進のための経費は、有店舗においては“売り場”にあたるものであり、 当然、通販においてもこの程度のコストがかかることを覚悟する必要がある。
ここで重要となるのが、1人の顧客を獲取するための経費となる限界CPO・限界CPAの設定である。これは主力商材単価などにより、10,000~30,000円と通販会社毎に大きく異なる。ただ、CPO数値を低く抑えられたとしても、LTV(顧客生涯価値)が良くないケースも多い。
初回購入客からリピーター、そしてロイヤル客へといかに育成するかが通販ビジネスの肝であり、新規顧客獲取のための広告媒体のジャッジについては、CPOだけでなく、LTV、定期コース引き上げ率など、様々な数値を検証すべきである。
いずれにしろ、いかに原価や販促経費を抑えるかが、通販事業の収益を上げる重要ポイントであり、私論では、最低10%の純利益を想定した事業計画を立てるべきと考えている。