「仕事のすすめ方」
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆
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前回、指示の出し方と受け方」について触れました。今回は次の段階の「報告」です。
報告といえばすぐに「報告・連絡・相談」をひとまとめにした「報・連・相」をおもいだすでしょうが、今回は「報告」に特化してお話を致します。報告は皆様がご理解している以上に会社にとって重要な意味を持ちます。報告は大げさでなく、会社の機能に関わります。なぜなら、情報が共有できているとき会社の対応が迅速になるからです。例えば社外のお客様の言葉に「少々お待ちください」、「確認をいたします」などの対応ではなく、「〇〇の件でしたら、担当が今月より△△から□□に代わりました」、「A商品は材料の関係で出荷までに一週間ほどお時間を頂いてしまいますが、よろしいでしょうか?」のような対応が可能になります。
報告は指示を受けて動いた部下から上司に向けてするものですので、指示を出した上司は報告を『待って』います。指示をしたことがきちんと出来たか、指示通り出来たことを待ってそれをさらに次のステップとして他の部署に手渡すとか、報告次第では出した指示をサポートするために誰かをつける必要があるかなど、指示の内容ごとの事情でその報告を『待って』いるのです。ところが現場では残念ながら往々にして報告を忘れられてしまうことがあります。単純なうっかりミスで忘れてしまったり、自分は指示通り動いているので指示内容が遂行されていることが分かっていて安心してしまったり、上司の仕事が一段落をしたらという気配りが災いして・・・など様々な理由から指示を受けた側が忘れてしまうのです。これらのパーセントは決して低くないので、報告は必ず絶対にすると肝に銘じてください。さらに複雑な内容の指示の場合など、受けた指示の記録として上司にメールをするということも考えられます。
私は職種柄、研修に伺ったとき会社の上の立場の方々とお話をさせていただく機会が多くあります。初対面にも関わらず話の流れで話材が報告になったりすると、突然「○○部長は報告が遅いのですよね」とか「○○課長は報告が無くて困ります」などしばしば耳にいたします。(名前を入れてお話いただいても私には分かりかねるのですが)このことからもいかに報告が会社にとって大事であるか分かりますね。新人さんは勿論のこと、役職についても報告は会社に在籍する間ずっと必要なことなのです。
前置きがだいぶ長くなってしまいました。
報告は事実に基づく『結果が先』です。推測や憶測を交えず事実のみを簡潔に述べます。
経過は後からですが、どんなに大変だったかなどつい言いたくなっても、それは個人の感情であり上司が求める報告には一切必要ありません。また、期日が長くかかる指示については中間報告をします。順調に進んでいるときほど要注意です。自分はその指示に携って動いているので、安心感から中間報告をすることが頭からとんでしまう場合があります。進捗状態は只今これこれです、という報告がとても大切です。ときには反対にここまでこの形で進んでおりますがよろしいでしょうかという内容も考えられます。終了して知らせるだけが報告ではありません。
また、悪い結果の報告も現実には起こります。この場合皆様はどうしますか?少しでも早く報告することがあなたのできるベストの行動です。第一声は謝罪です。それに続けて事実に基づいた結果を述べます。事実を述べたうえで、どのように対応しようとしているかも必ず伝えます。そうすることで無責任な報告になってしまうのを避けることができます。
最後に、報告を受ける上司も心がけていただくポイントがあります。部下に報告のタイミングで悩ませることがないよう、指示の終わりに「この時間帯以外で報告をお願いしたい」という一言や、実際報告を受けるときの第一声を「お疲れ様」、「ありがとう」などから始めていただくと報告する側のモチベーションがアップしますので是非ご活用ください。
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