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- 大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり
- 105軒目 「《豚まんの『李白や』のシュールなカウンターバー》痴唐人(広島市)」
これからの時代、第一次産業者も、メーカーも小売りも外食産業に進出して、消費者との接触する機会を創出し、それぞれのビジネスモデルにないエンターテイメント性を演出するでしょう。なぜならば、食は多くの人にとってもっとも身近なレジャーですから、背景にあるストーリーがたくさんあればあるほど、このレジャー性より高い水準で実現され、消費者の心を食の魅力に引き込むことができるからです。
今月のコラムでは、豚まんを製造販売している広島の『李白や』がやっているとても魅力的でディープな“餃子バー”を紹介しましょう。
店は、『李白や』の製造販売しているお店の隣でひっそりとやっています。夜来店すると、少し外見は暗めでやっているのかという拒絶感があります。
『李白や』をご存知ないかたもいらっしゃると思いますが、以前は百貨店にあった豚まんのルーツのような店。中国本土の肉まんを九州経由で伝えたそうです。
さて、店に入ると、ワイン飲んでいるお客がほとんど、カウンター内に、無造作に抜栓済みの『オーボンクリマ』が置いてあります。『オーボンクリマ』と言うとアンリ・ジャイエを師と仰ぎ、サンタ・バーバラを「カリフォルニアのコート・ドール」と言わしめた“サンタ・バーバラの怪人”と異名をとるジム・クレンデネン氏のワイナリーですね。
早速、そのオーボンクリマを注文してみましょう。一緒にお通しが出てきます。
料理は一口餃子(10個400円)の他にも焼き〆鶏(皮3本450円)、天恵美豚ハラミ(650円)、焼きのり(+60円)で食べられる自家製レバーパテ(480円)など魅力的なメニューの他、チャンジャ(580円)、牛タン(800円~)、トマトスライス(600円)などのスタンダードなメニューを品揃えしています。一般的にメニューが多いのに、選びたいアイテムがないことが多いですが、こちらは、逆で、少ないのに食べてみたいアイテムばかりです。
このようなうまいラインナップだと、トマトスライスですら、何かあるのかと思うほどです。今日は二件目につき、そんなに注文できませんが・・ まずは、こちらの店のおすすめの一口餃子を注文します。すると、いきなり、板さんが皮を作り出します。で、一口餃子なので、ちまちまっと握っていきます。おっ、これはサクミでなく、モチっとパターンやな。楽しみですね。提供されると、ほぼ予想通りの品です。これはこれでいけます。
こちらは日本酒、焼酎も充実しております。まずは日本酒を注文してみましょう。こちらの店は開栓したものいくつかの中から出てくる仕組みで、基本おまかせです。
品揃えは狙っていてマニアックなものが多いようです。HARADAから。続いてキュベジャポン、その後は焼酎にして、森伊蔵、渋柿(しぶし)を注文します。
まずはおすすめという薄タレで食べる豚足です。炙ってばらした豚足はタレが個性的でキレがあって旨いです。
〆に注文した五島うどんは卵の入った醤油ベースのタレがいいですね。
お持ち帰りもあり、『李白や』なので豚まんはもちろん、豚足なども持ち帰ることができます。
こりゃ、面白い店、見つけましたね。食べログの点数現在3.0と点数低くて、ウッシッシーですね?。