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戦略・戦術

第21話 「激動の経済の中で、社長が打つべき手」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

  あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
今年の経済はことのほか騒がしいスタートを切ったようですね。
 
1 原油価格100ドル突破
2 東京市場株価暴落
3 ドル安 円高の為替変動
4 サブプライム問題によるアメリカの不景気
5 日本の政治、アメリカの大統領選の行方
6 建築法規制による新築物件の大幅遅れ
 

 いやはや、新聞マスコミ大騒ぎをしていますね。
「タイヘンだ」「大変だ!」の言葉が大好きな日本人、ことのほかマスコミはそう言わないと商売にならないのかも知れませんが。
 
 私はこれらの大騒ぎにあまり同調しないタイプで、静かによく考えるようにしています。業界の中には、すごく影響を受ける方もいらっしゃると思 います。
 
 しかし、考えてみて下さい。世の中はいつも波立っているのですから当たり前といえばこれが当たり前なのです。経済が波立たず凪の状況などあり 得ないのですから。
 
 1石油 2株価 3ドル安
 この三つは世界中の金あまり現象の影響でしょう。
 
 投機筋、プロのファンドマネージャーは集めた金をどこに廻せば儲かるか・・・日夜そればかり考えているのです。金利と値上がり率を考えて一番 有利なところへお金をもってゆくのでしょう。
 
 わたくしは、石油が100ドルにもなれば今まで困難だと言われた新しい海上油田が開発される。高くって消費が落ち込んで、省エネが進み、やが て元に戻るとは思いませんが50ドル~60ドルに落ち着くのではないでしょうか。
 
 株式投資を企業において行う事は、いい事ではありませんと申し上げてきました。だから中小企業において東証の株価が下落しても何の影響もない はずです。
 
 自己資本比率が50%以上で当座資産がありあまっているならいざしらず、それを専業にしている企業以外、借金のある企業が株式投資を企業では やってはいけません。自社の株価を上げるのが経営者の務め、他社株価のことはほっておきなさい。
 
 今の日本の株式市場は海外の購入者が50%はあるのですからアップダウンが激しいのでしょう。「ドル安」これは当たり前かもしれません。双子 の赤字をいつまでたっても解決しないのですから、国際通貨の地位は今やユーロやポンドがとって変わろうとしているのです。
 
 為替レートに敏感なブラジルのトップモデルがギャラをユーロで要求したり、産油国が支払いをドル以外で求めたり、ユーロ諸国の経済は決して強 くもないのに、ユーロがいつの間にか160%アップ、たった3~4年でなってしまっています。
 
 円高、いいじゃないですか。海外からの輸入品は安くなるのですから。確かに輸出は困るでしょう。国際化によって日本の輸出産品はますます高品 質のものづくりに変わらざるをえません。円安、円高はシーソーみたいなもので良い悪いは一方的に云えません。
 
 経済を見ていてつくづく人間の欲の深さ、傲慢さを知らされますね。10年前、多くの日本の銀行、証券会社が苦しんだように今やサブプライム問 題で今度は、欧米の同業者が苦しんでいますね。日本の金融業界をあざ笑っていた欧米人が今度は、笑われる立場になっていますからね。
 

 「儲かるぞー」といえば盲目的に皆、その一定方向に走る、自主自律の考えはないんでしょうかね。日本の政治、アメリカの政治、そこから発生す る法律、規制の改廃でめまぐるしく皆さんの業界環境も変ると思います。
 

 つぶれる企業も又、出ます。残った企業はいい目をするのですが、競争事で優勝劣敗は当たり前です。「変化に即応する」口ではいいますが即応す るためには、
 
・ 常に企業の取り巻く風を読む、先見視能力
・ 変わり身の早さはカタ太りの無借金体質
  の2つがいります。
 
 本当にカタ太りの強い会社の経営者は、世の中が揺れ動く事が楽しくって楽しくって仕方がないはずです。
 
 打つべき手は考えれば考えられます。金に余裕のある企業は悲観的にならず着実に本年も改善をしてゆくでしょう。

 

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