9月です。クーラーをかけずに寝られる夜が増え、朝晩は過ごしやすくなりました。
精神的に厳しいことが続く昨今、ストレスから社会全体が怒りっぽくなっているようです。「こうあるべき」と正義感が強まり、小さな過ちが許せなくなるなど、周囲に八つ当たり的な怒りをぶつけている人も多く見受けられます。
目の前のやるべきことに集中するためにも、ここでいったん基本に立ち返り、ビジネスシーンで押さえておくべき正しい言葉づかいを振り返りましょう。
リモートワーク中はメールやチャットなど文字コミュニケーションが中心であるため、面と向かって会話するとき以上に言葉づかいの正誤が問われます。ちょっとした言い間違えや書き間違えが大きなトラブルに発展しないよう、ここでは特に取引先や上司など目上の人の怒りを買いやすいNGワードを列記します。
社員の皆さんと共有していただければ、幸いです。
目上の人を怒らせる禁断のフレーズ
NG/すいません
OK/すみません
謝罪の言葉である「すみません」は「済まない」が語源のため、「すいません」ではなく「すみません」が正しい日本語です。
気にしない人も多くいますが、基本中の基本であることから気にする人はひどく気にします。無駄に相手の気分を損ねて火に油を注ぐことのないよう、気をつけましょう。
NG/ご苦労さまです
OK/おつかれさまです
「ご苦労さまです」は目上から目下の人に向けてかける言葉です。取引先や上司に対しては「おつかれさまです」を使うと徹底しましょう。
NG/結構です/構いません
OK/問題ありません/差しさわりありません
相手からの提案等を肯定するときに「はい、それで結構です」「はい、それでかまいません」などと言うことがありますが、これらは一般に目上から目下の人に向けて使います。
目上に向けて「結構です」と使うと、「大したことじゃないから好きにしていい」という、ともすると、やや投げやりに見えてしまいます。
取引先や上司には「問題ありません」「差しさわりありません」などと改めましょう。
NG/無理です/嫌です
OK/対応しかねます/できかねます/応じかねます
「無理です」「嫌です」は相手を強く拒絶する言葉です。コミュニケーションにシャッターを下ろす言葉であるとともに、幼稚な印象を与えます。
実現できそうもないと思う場合は、冷静に「~しかねます」と応じるのが大人のマナーです。
NG/いりません/いらないです
OK/間に合っています
年齢が近い同僚や、日頃から頻繁にやりとりしてお互いの気心が知れている間柄なら「いりません」「いらないです」で通用しますが、取引先や上司には尊大な印象を与えかねません。
お断りするときには「間に合っています」としましょう。ほかに、「お気持ちだけありがたく頂戴します」という表現もあります。
NG/おわかりですか/おわかりでしょうか
OK/ご理解いただけますか/ご理解いただけたでしょうか
一般に「おわかりですか」「おわかりでしょうか」は教える側(先生)が教わる側(生徒)に対して使います。目上の人にはひどく失礼に当たる場合がありますので、注意が必要です。
取引先や上司には、「(言葉足らずな面もあったかと思いますが)ご理解いただけますか」「ご理解いただけたでしょうか」と丁重に尋ねましょう。
NG/私には役不足かもしれませんが
OK/私には力不足かもしれませんが
「役不足」は依頼する側が「あなたの実力から考えると今回の役割は役不足かもしれませんが、お許しください」という意味合いで用いるもので、「私には役不足です」という使い方は正しくありません。
謙遜するなら「はなはだ力不足ではありますが、精一杯努めます」などと用います。