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第90講 なぜ『ケーキやパンに髪』の偽クレームを約7000回も繰り返すことができたか(2)

クレーム対応 実践マニュアル

取引企業とのクレーム対応、消費者とのクレーム対応、製品サービス別、メンタルヘルス…「クレーム対応の初期対応法」を学べるCD教材、ダウンロード教材を発刊いたしました。ぜひ、コラムをお読みの方々にご活用いただけましたら嬉しく思います。

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なぜ『ケーキやパンに髪』の偽クレームを約7000回も繰り返すことができたか(2)
~現品&異物&レシート&違和感のない周辺情報の提示がないと受け付けない~

今回のクレーマーは、現品もレシートも企業や商店に提示することが少なかったといいます。
そもそもがうそのクレームですから、現品がない、レシートがないということがあると思います。
そうなると対応は簡単です。何も渡さない!これにつきます。
「恐れ入りますが、それでは早急に検査と調査をいたしますので、現品とレシートをいただけますか」
「それは、ないんですけど・・」
「さようでございますか。私共も現品やレシートがないと検査や調査に進むことができませんので はがゆいです・・・」
「私が言っていることが信用できないのですか!」
「現品とレシートにこだわっているのは、お客様を信用したいからこそです。お手元にはございませんか?」
「そんなの、捨ててしまってありません!」
「残念です・・・。少しお探しいただいて、見つかったらご連絡いただけますでしょうか?その時点からしかるべき対応をいたしますので、よろしくお願いいたします。」
「なんで!客が本当のことを言っているのに!」
「はい、信頼したいからこそのお願いでございます。いかがでしょうか?」
「おかしいでしょ!」
「はあ・・お探しいただいて・・・」
と約20分程度、このやりとりをすることがテクニックです。この会話の時に「申し訳ございません」という言葉は、絶対に言わないこともテクニックです。

なぜ、現品や購入した裏付けとなるレシートがないと対応をしないかというと、2つ目のポイントとしてしっかりと理解してほしい話をします。
これは『契約』の問題だからです。『契約』の問題だから、1つの不具合品を返していただき、1つの正常品を渡すことになるのです。つまり1つの不具合品を返してもらえないのであれば、新たに1つも差し上げてはいけないのです。
だけど、お客様が怒っているからというだけで、やすやすと1つをすぐに返してしまう。だって1つぐらいなら、企業や商店にとって、どうーってことがない不利益だから。だから、1つぐらい簡単に渡してしまう。ケーキやパンやお菓子の場合は、1つではなく、3個や5個や10個を簡単に渡してしまう。なぜなら、たとえ10個でも、企業にとっては大した痛手にはならないからです。つまり、単価が小さいので、いくらでも大盤振る舞いができるのです。
この瞬間に、クレーマーはクレーマーの勘で、『この企業はもっと取れる!』ということを察知するのです。
逆から言うと、食品企業は、1個の商品単価が小さいので、簡単にたくさんの品数を提供してくれるということも、クレーマーは計算済みなのです。

たとえ相手がクレーマーでなくても、お客様本人が「あなたの会社のお菓子を買いました」と言っても、その証拠となるものがないのに、簡単に『お客様』だと信じてしまう。私にとっては勉強不足の企業の浅はかさに、うんざりするようなニュースでした。

企業や商店はなんで、お客様にこんなに弱いのでしょうか?
だいたい『お客様』とはなんぞや。というと、正しく物を買ってくれて、正しく利用してくれて、正しく管理してくれているのがお客様であって、この3つを全うしていない相手は、消費者ではあってもお客様ではありませんからね。

じゃあ、なんで企業は『消費者を怒らせるとこわい』と感じているかといえば、『消費者という大きなグループを怒らせると、売り上げが大きく低減する』という理屈に、洗脳されているからですね。だから、一人一人のクレームに神経を使って対応しているのです。
ひとり一人のクレームに真面目に対応することはとても重要ですが、勘違いをするのはやめましょう。これがポイントの3つ目です。
『消費者という大きなグループを怒らせると、売り上げが大きく低減する』ということと、『クレーム対応で和解しない』ことは、関係はありません。
今のネット社会では、『消費者という大きなグループを怒らせると、売り上げが大きく低減する』のは、『クレーム対応で和解しない』ことが原因になることはありません。
『消費者という大きなグループを怒らせると、売り上げが大きく低減する』のは、企業や商店が『不祥事を発生』させたときのことです。
『クレームで和解しない』ことと『不祥事を発生させる』ことは、全く別問題です!!
ところが『クレーム対応で和解しない』と『企業の売上は低減する』のだと思いこんでいませんか?
複雑なネット社会が、この点においてはありがたい動きを示してくれます。
例えば、Aという客が『Y企業は***だから大嫌い』とネットに書き込んだとしましょう。しばらくはその意見に同調する書き込みが追記されていくでしょう。でも、それに反する意見の書き込みも徐々に始まります。日々、堅実に事業を運営していれば必ず、その企業を擁護する意見も発生するのです。そして、ネット族はだんだんと意見のやり取りにつかれて、あきて、ネット上でのY企業の話題は影をひそめて行くのです。
言っておきますが『不祥事を発生させた場合』は、このやりとりの間にも企業には、法的な追跡や、客離れの魔の手が急速にしのび寄ってくるのですよ。
クレーム対応で和解しないと、企業の売り上げが減ってしまうという構図は、成り立たない社会になっているのです。
そんな古くさい洗脳からは解き放たれないと、わかりやすい幼稚な不当要求型クレーマーに寄りつかれて、付きまとわれてしまうのです。

中村友妃子          


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