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マネジメント

第109回 『おまえに任せた!』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

新任の部署で張り切っていたところ、前任者時代はイキイキと仕事に取り組み実績を上げていた部下が、
あなたの就任以来、態度も投げやりになり、成績も次第に下がり始めた……。

こうした「過去実績社員」はもとより、その他の部下を前に、新任上司としてまず心すべき最大テーマは、
いかに部下の心をつかむかということである。
 
その具体的な方策について考えてみたい。
 
 「用兵の道は、心を攻むるを上となし、城を攻むるを下となす。
  心戦を上となし、兵戦を下となす」
 
リーダーシップを論ずる本によく引用される言葉である。
南蛮征伐を前にして、諸葛孔明に戦の真のあり方を問われた馬謖(ばしょく)は、こう答えた。
 
意味するところは、
 「およそ戦というものは、城を攻めるは下策、心を攻めるのが上策だ。
  武器をもって制圧したところで、いつかはまた反乱がおこるに違いない。
  心を服せしめることを第一に考えるべきだ」
ということである。
 
諸葛孔明が描かれている『三国志』の時代といえば、漢王朝崩壊前後の紀元三世紀。
その時代から、人の心をつかむことが治世の要諦といわれているわけだが、
一方では、それだけ難しいということでもあろう。
 
 
諸葛孔明に関して、もうひとつ引用してみよう。
 
10万の兵をもって遠征に出かけた際に、
休息を与える意味で、十人に二人の割合で一時帰国させるシステムを採用したという。
つまり、二万人の兵には休暇を与え、八万人で戦う態勢を常時とした。
 
ところがある時、敵の大軍を前に不安をつのらせた部下が、
この制度をやめてはどうかと進言することになる。
 
これに対して、諸葛孔明はいかに答えたか。
 
 「武を統(す)べ師を行(や)るに、大信を以(も)って本となす」
  (部下に対していったん約束したことは守らなければならない)
と、ついぞ八万態勢を崩すことはなかったのである。
 
 
部下の心をつかむ第一は、この「約束を守る」ことにある。
 
例えば、ビジネスの世界では、「おまえに任せた」といった場面はよくあるものだ。
ところが、責任者としては失敗は絶対に回避したい。
 
そこで、「任せた」と言っておきながら、結果が出る前に次の手を準備する。
(そのこと自体は、危機管理面からはひつようなことではあるが)
 
しかし、任せられた本人が、もしそのことに気づいたとしたら、どう思うであろうか。
 
野球でいえば、「このピンチはおまえに任せた」といいながら、これみよがしに
リリーフ投手にウォーミングアップの用意をさせるようなものだ。
 
 
部下は、そのあたりに実に敏感に反応する。
「新任のボスは、オレを信じていないのか…」との考えにいたっても仕方ない。
 
言葉とは反対の態度を示されると、心はあなたから離れていく。
あるいは、結果ばかりを気にして顔色を伺うようになるものだ。
 
 
いったん口から出したからには、約束を守ること。
これを実行していくことによって、部下は心を開いてくるものだ。
 

 

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