「ネクラ」と「ネアカ」という言葉が、世に定着して久しい。
その内容をみてみると、2つのタイプに分かれる。
(A)本質的なモノの考え方が積極的で、「ネアカ(あるいはネクラ)」的なタイプと、
(B)表面的な態度や発言や印象が、「ネアカ(あるいはネクラ)」的なタイプの2つである。
が、現実をみてみると、(A)と(B)は、通常オーバーラップしがちである。
私も、たくさんの人と出会い、研究会や勉強会などで各社の社長に出会うチャンスが多いが、
トップは極めて少数の例外を除けば、総じて「ネアカ」または「ネアカ的」である。
自分としては社員を採用する場合、新人であれ、中途採用であれ、その決定に際しては、
「ネアカ」性を非常に重要な要素としてみている。
ただスタッフの場合は、考えていることは前向きにもかかわらず、
たまさか“表われ方”が「ネアカ」に出ない人もいるので、正しく人を評価するには、
単純に表面だけで判断する危険を、心して避けなくてはならないだろう。
自分がどちらかというと「ネクラ」だと思う人は、テクニックとして「ネアカ」に近づける方法がある。
ご参考までに記すと
(1)精神的、心理的なことで問題があった時、“なぜダメか”“なぜできないのか”
と考えず、「どうすればできるのか」と逆転させて考えるようにする
(2)ネクラの人間の傾向として、モノを言うときに小さな声になりがちなので、
意識的に大きめの声で話すようにする
(3)姿勢を正しく保つ。胸を張る
(4)スマイルを浮かべるように努力する
この4つのコンビネーションで、自分の印象(と時には実質まで)は、驚くほど変わるものだ。
結局、暗く否定的にモノを考えても、決して事態は好転しない、という哲理があるのだ。
そういえば、不思議なことに、トップの座にある人は、曰く名状しがたい「カリスマ的要素」があるものだ。
華があるとでもいうのか、計算や理論から決して出てこない何かがある。
トップは決して「スター」になってはいけないと思うが、その人が姿を現わしただけで
その場の雰囲気が明るくなるような「スター的な要素」は、必要なのではないだろうか。
この要素は、トップの十分条件ではないが、必要条件ではあるようだ。
そして、その必要条件を満たすための最低必要な条件に、「ネアカ性」があるといいたいのである。