成功の定義のひとつに、
「成功とは、自分にとって価値のある目標を事前に設定し、
段階を追って実現すること」
というのがある。
私には、これほど大きな命題についてご託宣をならべる能力も資格もないが、
次の成功の方程式は、わかりやすく、それなりの説得力があると思う。
「働く時間×情熱×方向性=成功の度合い」
この方程式で大事な点は、3つの各要素の重さは等しくはないということだ。
働く時間や情熱は、普通の場合、長ければ長いほど強ければ強いほど
成功の度合いに貢献するが、
方向性をひとつ間違うと、「負」に作用してしまうのだ。
一日24時間働き、全身全霊を傾けても、狙った方向を誤ると
とんだ場所にたどり着く。
方角不案内の山中で道を探すのに似ている。
この方程式を、企業レベルに置き換えると、
「就業時間(A)×モラル(B)×戦略(C)=成功の度合い」
となる。
この式を乱暴に解釈すれば、
(A)×(B)は「一所懸命働く」であり、(C)を掛け合わせたものは、
「頭を使って一所懸命に働く」ということになる。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが長期戦略を大切にするのは、
この方向性に重きを置くからだ。
今わたしは、成功について述べたが、成功は幸福と表裏一体な命題だと思う。
どちらも、何が「自分にとって」意味のあることなのかを
ひとつひとつ見極めなければならないから、はなはだ主観的な事柄なのだ。
成功も幸福も、自分の心の中に「基準」を設けないと、周りに振り回されてしまう。
何を幸せと感じ、何を不幸を感ずるか、その少なくとも半分は、
自分の気持ちの持ち方だと思う。
高杉晋作は、それを歌に託してこのように詠んでいる
おもしろき こともなき世を おもしろく
住みなすものは 心なりけり