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- 第4話 「海外から加工度を上げ輸入し人件費を下げよ」
昭 和37年(1962年)は、台湾食材研修セミナーの事務局として台北・台中・台南・高雄・台東・花蓮・蘇澳の全市を巡っていた。台湾島の東南部の羅東駅頭 は、タクシーはなく馬車が客待ちしていた。今から見ればかなり僻地であった。
(今日でもあまり、外国人は行かないと思うが)何をしに行ったかというと,生姜の加工品工場を訪ねたのである。その頃すでに紅しょうが、寿司の がり、梅干はその地から日本の在来伝統生産地に運ばれ、国産品として出回っていたのである。
高雄山(日本名新高山)の山からは平安神宮火災後の再建用の台湾ヒノキが搬入されていたし、地下足袋もスキーの手袋もジョキングシューズ、ブラ ジャーも台湾製は日本品として作られ売られていた。35年間、私は△△社の△△は外国のどこどこで作られていますなぞと,うれしそうに噂話は一切してこな かった。
「日本人は日本で作られれば製品が良く、外国で作られれば粗悪品だと今日現在も信じている」からである。
安い原材料で安い設備で極端に低い賃金で作るから品質が悪いのであって、この逆であればいや普通に熟練度があれば決して悪くはないよい製品が出 来あがる。
伝統ある業界、歴史ある企業の経営者に海外で作りなさいと薦めてもおそらく無理でしょう。私をコンサルタントとして全幅の信頼をしていない方 々には無理に薦めておりません。
しかし、今日、材料費、労務費、運賃が高騰しはじめる時、私は海外にそれを求めなさいと申している。
例えば国内で冷凍えびを解凍し、人手や治具で皮をむき、背綿をとって腹切り(天ぷら用に丸く縮まない為)するようでは競争に勝てない時代がきて いる。今日もめだたぬ様に海外での加工度を上げるべく研究されている。日一日と海外生産基地の加工品質度はアップしている。