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社員教育・営業

第64回 「コミュニケーション能力を身につけさせるためには」 はじめに

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「コミュニケーションを身につけさせるためには」
◆「コミュニケーションをテーマにした社員教育の方法」◆


■はじめに

今回からはコラムを通じて「コミュニケーション」を解説して参ります。
 
これをお読みいただいている多くの方々は、「コミュニケーション」という言葉を毎日のように耳にしているでしょう。また、「コミュニケーションは大切だ」という話も聞いたことがある方も多々いらっしゃるのではないでしょうか。
では、「コミュニケーションの意味は?」と問われたら、あなたはすぐに答えられるでしょうか?

「コミュニケーション」をひと言で言うと、『かかわる』ということです。自分と対象とがかかわらなければ何も生まれてきません。人と人が気持ちのやり取りを始めて、このときコミュニケーションが成り立ちます。やり取りを始めるのは、相手からコミュニケーションをとってくるのを待つことなく、自分からです。つまり自分がいつも発信者であり主体であることです。受け身ではなく、あくまでも能動的であることが、コミュニケーションの基本であると心に刻んでおきましょう。

指導の際は、まずこのことをしっかり社員に理解してもらってください。この部分を怠るとコミュニケーション自体、お互いの立ち位置にズレが生じてしまいます。つまりコミュニケーションの指導にあたっての第一の取り組みは、しっかりとした「自分作り」が大切になります。

コミュニケーションを得意と思っている方も、案外最初の一歩は相手からのかかわりであることが多いのです。そうではなく、最初の一歩から自分が先に踏み出して、相手と『かかわる』のです。それが本来のコミュニケーションの基本中の基本です。さらに、自分が先に踏み出してかかわりを持ったのに、結果があいにく…。となった時、すぐにあきらめるのではなく、かかわり続けることが重要です。
 
私は普段、研修の講師として、多くの方々に接します。研修の中で、今の若い世代の特徴として感じるのは、私が「球」を投げるとその「球」は返ってきますが、先に投げない限り「球」は返ってこないことがほとんどです。

自分から動く=『かかわる』必要性を感じていない人が多く見られます。このことをおざなりにして、いきなりコミュニケ-ションの基本や意味をいくら語っても、残念ながら現場での実践や定着は期待できません。社内での指導では、社員に自らを表現する喜びを知り、感じ取ってもらえる機会を、一回でも多く作ってください。

私が研修の最初にすすめるのは、「私は●●会社の○○(フルネーム)です」と話させることです。
「わたくし」はの「わ」の口の開閉の大きさ、声の響き、笑顔で言うの三点ができているか、これを細部までこだわって、印象の良い言い方ができるまで言い直しを求めます。なぜなら、せっかく「自分から先に」かかわっても関わり方が適切でないと、その効果がでないからです。本人は笑顔でいるつもりでも、相手から見て、笑っているように見えなければあなたは笑っていないのと同じことです。とてももったいないことだと思います。

「私は●●会社の○○です」の中に、しっかりした声量がでているでしょうか、その身だしなみは会社の名前を言うのにふさわしいでしょうか、名前の名乗りは一度で相手に聞き取ってもらえたでしょうか。「私は●●会社の○○です」の言葉に込めるポイントは複数あります。コミュニケーションを自分から先にとることと同時に、その表現方法が良かった時に、その出会いに成功することができます。その出会いを会社にとってプラスに持って行くことができます。そのような「出会い」を決して逃さないことです。

日本人の人口が一億人以上であっても、私たちが人生の中で出会える人は限られています。道ですれ違うだけではなく、同じ会社で働く、仕事でお取引があるなど、人生の出会いが限られているからこそ、これほどのコミュニケーションがとれることは確率が少ないと思います。このように考えると、一人一人の出会いは愛おしいものではありませんか?生きている同じ時間の枠の中で出会えた奇跡のような瞬間は宝物なのです。
 
自分作りと出会いを逃さない。この二点を丁寧に説明してから「コミュニケーション」の指導を始めていきましょう。

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