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戦略・戦術

第72話 オリンパス事件について考える

強い会社を築く ビジネス・クリニック

 前月、ブログで問題を先送りする経営者の体質について意見を述べました。オリンパス事件は20年前に起因するデリバテイブ損失を隠し、取り繕っていたことが外人社長により暴かれました。その後、AIJ事件や大王製紙もすべてそうですが・・・
 これらには経営者が社内の大きな損失を隠すという共通点がみられます。
 
 今、私の目の前でも準大手の建設会社(J建設)でも行われています。
 子会社が抱えている20数億円の債権を親会社であるJ建設が代わりに持っています。その価値は5千万円位にもならないようになり、大きな損失を抱えています。
 
 当然、全役員は知ってますし、一部の部長もわかっているのです。子会社の社長は民事再生を出したくないと思っていますが、親会社はそれを許さず、その代わりに毎月、多額の資金補助を行い支援しているのです。
 
 誰が考えてもおかしい行為でも、それをおかしいと思い、止めないのです。
 なぜでしょうか?
 
 私は、特別損失を出して税引前利益を赤字にしても、一期ならどうってことないと主張します。
 経営審査(建設業はこれによって毎年受注に影響する)を気にしているのでしょうか?
 経常利益が経営に影響することを知っています。しかし、一部の営業幹部は税引前利益で赤字を出すことに絶対に反対します。なぜなら、J建設は営業利益も経常利益もたいした数値が出ていないのです。
 その上に、税引前利益が大赤字であれば、大手の上場企業の仕事や官公庁の仕事が受注できないというのです。
 
 
 J建設は有名なので、てっきり上場会社と思っていましたが、非上場企業でした。
 しかし、公認会計士がだまっていないだろうと思いましたが、公認会計士も粛清できずに印鑑を押しているのです。
 今や、公認会計士事務所も経営が厳しく、得意先がなくなっても困るので、変に妥協しているようです。
 
 他社の事について「馬鹿が」「あほが」と簡単に言いますが、当人たちは、取り繕ってでも税引前利益を出す粉飾決算を行い、税金という現金(血液)を出しているのです。
 
 おかしいと思いつつ、厳しい再建計画、革新計画を持ち出せない経営者が、まだまだ世の中に存在しているのです。
 
 いつか「いいことがある」「春が来る」と思っているのでしょうか?
 これが異常であると思わないのでしょうか?

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