3月11日の夕刻、株式・経済予測で長年にわたりご指導戴いているN.Yの大竹愼一氏を囲んで、社長の夕食懇談会を開催した。
土地価格、為替、中国の将来、キャッシュフロー経営、日本のデフレ予測・・・と様々なテーマで、各社長の意見や大竹氏の予測シナリオの一致や不一致で活発な意見交換が約4時間続いた。
その懇談会の席で、「M&A」の話題になった時、コトバの相違の典型的な光景を目の当たりにした。
H社長とS社長の「M&A」に対する会話が全然通じないのだ。約10分後互いの話をまとめると、H社長は同業水平型の「M&A」を考え、S社長は異業種垂直型の「M&A」を主に議論している相違が判明した。
互いに今後の戦略戦術としての「M&A」は一応の決着を見たが、これが社内の社長と部下の間では、そうは上手くいかない。部下としては、議論を戦わせずらいし、社長としては力で押し付けてしまい、経営戦略や指示の徹底が根本からできない。同じ日本語を使っているが、判ったつもりでも社長の考えと部下の考えは、随分レベルが違う。
社長も社員も同じ土俵で議論が出来る社風が、コトバの意味の統一ができる最低限の条件だ。コトバの意味の統一が出来ている会社は、やっぱり元気だ。