スピーチや講演を聞く機会は多い。内容は大したことはないのに、聴衆を引き付ける力があるスピーカーがいる。反対に、非常によい事を言っているのに、滑舌が悪かったり、耳障りな話し方だったりで「勿体ない」と思う人も多い。
私自身、講演をはじめ話す機会は多いのだが、自分の話し方は単調で迫力がないと反省し、プライベートレッスンを1~2回受けてみようと思い、ネットで調べて行ってみたことがある。もうかなり前のことになる。講師は俳優とのことだったが、聞いたことがない名前だった。ビルの一室に通された。
まず、与えられたテーマについて2分のスピーチをするように言われた。なんとかやり終えると、「内容はいいが、伝え方が・・・もっと聴衆を見て!(聴衆なんていないので難しい!)、その人に話しかけるように、感情をこめて話すこと」と言われた。適切な指摘である。
次に、芝居の台本のようなものを渡され、おじいさん役、おばあさん役、孫の役を、全て声を変えてやるように命ぜられた。講演のとき、お婆さんの声を出したり、子どもの声を出した方が眠らせないでいいかもしれないが、これは「私向きではない」と思い、レッスンは一回でやめてしまった。
それより役立ったのが、過日聞いたボイストレーナー、秋竹 朋子 氏の「ビジネスに活かすボイストレーニング」というスピーチである。元音楽家ならではの聴力と技術を駆使した、日本初「超絶対音感」によるボイストレーニングで話題を呼んだという。
ポイントは
・腹式呼吸に声をのせること。(納得、健康にもいい)
・口角を上げる。笑って話すと声が高くなる。
(これだけを心掛けただけでも、声が弾んで明るい印象になるからお勧め)
・一番初めの言葉は吐いて言う。(少し練習が必要)
・イントネーションをつける。
例えば「おはようございます」というときは二番目の「は」と言う時声を高くする――全てに当てはまるかどうかわからないが確かに日本人はフラットに話す人が多い。イントネーションをつけた方が印象深く、元気に聞こえる。
日経新聞の「ビジネスは声が肝心」という記事では、舌の運動を推奨していた。例えば口を大きく動かしながら「あいうべー」と発音すること。「べー」というところで舌先をあごにつけるくらいに思い切り舌をだすのだそうだ。
一度自分がどんなしゃべり方をしているか録音することをお勧めする。声に艶がなかったり、或いはガサツにがなり立てたりしていないだろうか。チェックしてみよう。
ライフスタイルアドバイザー 榊原節子