日本政府の思惑とは別に、2期連続して、マイナス成長になった日本。
(出典:2014(平成26)年7~9月期四半期別GDP速報)
この先はどうなっていくのでしょうか?
当たり前の話しかも知れませんが、これから、圧倒的に良くなると言うことはなさそうです。ではどうすると良いのか?そのヒントが、先日訪問した、タイと京都にありました。タイをはじめ、東南アジアは、現在成長期です。
(図:経済成長率推移)
(図:Asean10カ国GDP推移)
そして、日本は、成長期は終え、転換点も過ぎ、衰退期(安定期)に移り済んでいます。
その中でもとりわけ、長い年月続いている京都は、安定期の街と言えるのではないでしょうか?その2つを短期間に比較することにより、見えてきたものがありました。企業や、市場を見る場合「ライフサイクル」のどこにあるかで、打つ手が違うというのはご存じの方も多いと思います。
(図:ライフサイクル)
転換点の前半、導入期・成長期の場合は、その市場、業界、はたまた、国が伸びているので、必要なのは伸びにタイしての供給量です。タイも国の成長とともに、ドンドン自動車の保有量が増え、所得増加とともに、欲しい物もでてくるので、ショッピングモールなど小売りも伸びます。日本も、1970年~1990年ころがこの時期に当たります。
(図:タイの自動車販売、生産推移、JETRO HPより)
この時期に必要なのは、「供給量」が、大切なので、在庫や商品アイテム数、種類が豊富というのがキーワードになります。
(タイの街中の風景)
MBKというショッピングモールでは、とにかく在庫が豊富に、これでもかというほど商品がボリューム感満載で陳列してあります。
(MBKの店内風景)
高級ショッピングモールも面白いです。
サイアムパラゴンというショッピングモールでは
とにかく品揃え豊富に、車まで販売してます。それも、超高級車です。
(マセラッティ)
(ロールスロイス)
とにかく、量です。
その量を展開する場合は
3つあります。
1) 低価格から高価格までそろえる、価格幅の量
2) 同じ種類の物を在庫量豊富、在庫の量
3) 色やサイズ、ちょっとした違いの、アイテムの量
この3つのどれかを提供できるかどうかが、成長期の企業では必要です。日本でも、業種によっては成長期のビジネスがあります。介護や葬儀などのビジネスがこれに当たるかもしれません。最近はやり出しているポップコーンなどもこの時期に当てはまります。
そして、この成長期の中でも、これが、次に出てくるだろうなと、思ったのが、成熟期に移ったときに必要になる、キーワードで、「質」を高める、「絞る」ビジネスです。
成長期を越え成熟期に移行すると、ほとんどの人が行き渡り、買い替え需要に移っていきます。すると、買う側のキーワードは、「今よりより良いものを」になると思います。なので、どこよりも専門的、どこよりも一番のものしか、印象に残りません。
転換点を越えたあたりから、一番があるかないかで、収益率がグンと変わってしまいます。タイでも、成熟期に移りつつあるところでは、「専門」または、「一番」により成長しているところもあります。例えば、会計専門の人材紹介会社は急成長しているようです。
オーガニックココナッツに絞った飲食メーカーは、現在急成長しているそうです。
そして、日本経営合理化協会さんの園部様にコーディネートしていただいた、京都視察では数多くの老舗企業を見、お話を聞き、「絞る」ということが永続する一つの方法だというのを実感しました。
絞るには、1番を作り、専門家になるということのようです。
業種、客層(タイプ、年齢、収入)、地域で絞ると、自ずと、何々で、一番となります。例えば、美容室をしているのであれば、6歳以下専門の美容室となると、その絞られたなかで、専門性が発揮でき、一番になりやすいということです。
一番になると、印象に残ってもらえるのです。
当分の間、景気がすごく良くなることは、なさそうです。
そんな時には一番と専門性の高さのところが残ります。もし、景気が良くなっても、一番と専門性のところは大丈夫です。来年に向けて、何の専門性を上げて、何で一番になるのか、検討すると良いと思います。参考になると嬉しいです。