下の写真はよく見る表示ですが、実は台湾で撮りました。日本にいるような気がしました。整理・整頓は台湾でも大切なことのようです。
さて、長期間にわたって「最強のモノづくり6つの流れレベル」についてお話しして参りましたが、今回で最終回といたします。
レベル6の説明はたった4回ですから、「ずいぶん短い」と思われるでしょう。その理由は、レベル6となると、必ずしも一般論でその内容を語ることができないからです。
すなわち、日本のモノづくりが生き残り、勝ち進むためにはこのレベルが必要なことは明らかですが、この「一気通貫の流れ」では、それぞれの方がご自分のマーケットをしっかりとらえた上で独自の切り口でチャレンジすることになります。そこには決まったやり方はないと思います。
「あなたのところでしかこういうものは作れません。何卒この依頼を引き受けてください」─このようなことができている会社は、レベル6だと思います。私の指導先の中にも、このレベルをめざして頑張っていて、少しずつですができ始めている会社があります。
しかし、これは既に体系化された方法をしっかりやっていればできるというものではありません。社長をリーダーとして、会社のみんなが一丸となって自社の強みは生かし、不足しているところは補いながら一歩一歩前進していくことです。
そこで必要なのは、「改善の心」です。これまでにも何回かご説明しておりますが、再度お話しいたします。
改善の心とは、
1、 固定観念はすべて捨てよ。
2、 すぐにやれ、言い訳は無用。
3、 金で逃げるな、チエで勝て。
4、 真因を追及せよ、ナゼ5回。
5、 改善に終わりなし、今が最低と思え。
固定観念は、誰もが持っているものかもしれません。しかし、その固定観念の存在は、どうもその持ち主にだけは分からないことが多いようです。「我が社の若手は頭が固い」と嘆く社長の部下は、「社長の頭が固くて仕事がやり難い」と嘆いていることが多いのです。
そういう時に、私は決して社長に対して「あなたの頭は固い」などとは言いません。代わりに目の前のチャレンジ項目をすぐにやってしまいます。
ただし、その時の実行で使うのはお金ではありません。チエと筋肉です。これなら失敗しても痛くもかゆくもありません。どっちに転んでも前に進めるものです。成功すれば一番いいですが、失敗しても学びがありますから。
その上で、私は社長に「さすが、フットワークがいいですね。これなら大丈夫です」とフィードバックします。考え方を変えてもらうのは大変ですが、行動を変えることは、最初の一歩を小さい一歩にすればできやすいのです。
失敗してしまった時は、それもしっかりと、ナゼ5回で真因を追及すると、おのずから次に何をすればいいかが分かって来るので、改善の歩みは止まりません。改善に終わりはありません。ナゼかと言うと、世の中の変化が止まらないから。
いかがでしょうか?改善の心の5項目、すべてその通りだと思われるでしょうが、更にもう一段、厳しい目でご自身の改善の心を見直していただきたいと思います。
どうぞ頑張って下さい、そしてレベル6の事例をたくさん作って下さい。いつも応援しております。
さて、最後に宣伝をさせて頂きます。4月20日に日本経営合理化協会から「儲かるメーカー 改善の急所 101項」という本を出しました。
初心者からベテランまで、経営者にも担当者にも役に立つように書きました。1.モノづくり《基本の基本》 から 7.これからのモノづくり経営 まですべて見開きの分かり易い形で書きました。
流れのレベル追及のお役に立てるものと思います。ぜひお求め下さい。
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