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製造業

第250号 人材が育つ改善提案書の書き方

柿内幸夫─社長のための現場改善

 今回は、250回目の「社長のための現場改善」です。この連載を始めて約10年が経過しました。ひとえに読者の皆様のご支持のおかげです。心より感謝申し上げます。これからもモノづくりの改善が少しでもお役に立てるよう頑張ります。

 さて、今回は先回に引き続きチョコ案制度の9つの特徴のうちの 5)についてご説明いたします。

 1、大きな成果を求めない。

 2、独創性を求めない。

 3、会社の役に立つことや仲間が喜ぶことであれば、従来の改善提案の常識にとらわれずすべて評価する。

 4、結果のみでなく、プロセスも評価する。

 5、報告の用紙も極力簡素化し、「改善以前の状況」と、「改善後の状況」と「自分の氏名」の3点を書けばよいというメモ程度の内容で十分とする。

 6、一般の改善提案制度のように内容の等級付けをしない。

 7、報奨については1件100円前後の金額が妥当であると考える。

 8、1ヶ月に全員が最低でも1件の改善を実行して報告するといったルールを設ける。

 9、気軽な発表会を実施し、みんなで改善というものに慣れ親しむ。

 

それでは、5、報告の用紙も極力簡素化し、「改善以前の状況」と、「改善後の状況」と「自分の氏名」の3点を書けばよいというメモ程度の内容で十分とするの特徴について、先週に続いて詳しく説明します。

 

 一般的な改善提案制度では文章をしっかり書かないと読む人に分からないので、かなりの字数を使って分かり易く書くことが求められます。しかしその対象がまだ存在しないものですから、それを分かり易く書くことはかなり大変だと思います。

 
 しかしチョコ案の場合は、すでに実行したことを報告するのですから、もし事務局の人が読んでもよく分からないということがあった場合、気軽に現場に見にいけばいいのです。
 
 そして、ついでに実行者の方にその改善について後の様子などを質問して、現場で具体的に説明してもらったりすると、その会話から、かなりの確率で次の改善のアイデアが生まれるものです。
 
 これは大変に良いことなので、私は事務局の人に分からないという時だけでなく、「この改善面白そうと思ったときは、なるべく現場に行って、実行した方に話を聞くようにして下さい」とお願いしています。
 
 これは現場現物でテーマを絞った「真面目な雑談」をすることになりますが、この気楽で楽しい「真面目な雑談」は、次のアイデアを生み出す非常に有効な手段です。
 
 そして、文章で書かなくても改善前と改善後の写真を撮って貼ってもOKといいましたが、このことによって日本語の読み書きができない外国人の方でも、問題なく改善活動に参加してもらえます。
 
 私の指導先の O社では外国人作業者の方々にもこの写真を貼るチョコ案の仕組みを使って、参加してもらっています。O社のチョコ案制度には個人ごとの表彰だけでなく、グループに対する表彰もあるのですが、約30あるグループのうち中国人作業者グループがトップに僅差の2位と大活躍しています。
 
 実際の現場では、日本語の読み書きができない外国人だけでなく、日本人であってもパートタイマーや派遣従業員は改善を実行する対象から外れされている会社をたくさん見かけます。
 
 しかし、これはとてももったいないことです。私の実感ですが、仕事をしている方たちはその立場がどうあろうと、実に多くのことを知っています。そして、多くのアイデアを持っています。
 
 もし、それらのアイデアを引き出すことができれば、会社全体からアイデアが生まれるようになり、改善の質も量も驚くほどレベルアップします。それだけにとどまらず、すべての人がほめられる対象になると、会社の中での居場所ができます。そこから生まれるモチベーションは、とても大きいのです。
 
 改善の実行を通じて人は育ちます。会社の中のすべての人が、改善の実行を通じて進歩向上する仕組みを是非ともお作り頂きたいと思っております。
 
 今年もインフルエンザが流行するようです。どうぞ皆様、うがい・手洗いなどをしっかり実行して、風邪引きさんにならないようにしてくださいね。

 

 

kaki250-1.jpg

copyright yukichi

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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