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第22話 良い会社はあかんで!『強い会社』を創ろ!

東川鷹年の「中小企業の人育て」

タイトルの言葉は、先代社長の口癖だった。
 
人にはそれぞれに価値観があり、十人十色である。よって、「良い会社」という言葉の解釈も人それぞれである。そうなると、その会社にいる社員のバラバラとなる。
 
もし、「良い会社とは、どんな会社か?」を、社員に聞いてみたとするならば、
 
「やりがいのある仕事を与えてくれる会社」
「安心して働けるつぶれない会社」
「残業が少なくてプレッシャーがない会社」
「給料が多くて、出来れば休みが多い会社」
 
など、バラバラで一向にまとまらない。もし、万が一、意見が一致したとしても、社員にとって楽な方にまとまるのがオチである。さすがに、このような長引く不況の中で、脳天気な事を言う社員は少ないかもしれない。
 
しかし、同時に悲観的になっているばかりでは、社内の風土はますます悪くなるばかりである。
 
ところが、『強い会社』となると、
 
「勝ち続ける会社“負けない会社”」「生き続ける会社“潰れない会社”」と、全社員のイメージは一致しやすい。
 
昨日、大阪で流れていたテレビのニュースを移動中に見る事が出来たのだが、「JRの主要駅構内で駅弁を販売していた明治創業の老舗の駅弁屋「水了軒」が破産申請を行った」とのニュースがテレビで流れた。
 
そのニュースで、何も知らずに出社をしようとした女性社員が涙ながらに、「私は、母子家庭で、これからどうやって生きていったらいいのか・・・」と、インタビューに応えていたのを観て、胸が詰まる想いがした。
 
決して他人事ではない!何があっても、会社は生き続けなければならない。安心して働き続けられる会社として、『強い会社』にするのは、社長だけではない。全社員であり、「あなた自身」である。
 
万が一、『強い会社』を創れなかった場合、その責任は社長にある。そして、強い会社として、潰れない会社として生き続けるためには、“適正な利益”を出し続ける必要がある。あらためて、トップは全社員に対して、“明確な方向性”としての進むべき方向を指し示して欲しい。
 
その一つとして『強い会社を創ろう!』と、指し示して欲しい。また、社員が具体的にカラー動画でイメージが出来て、共感しワクワク出来る『夢』を語って欲しい。その実現のために、年度目標として、適正な『利益目標』を明確に指し示して欲しい。
 
全社員は、指し示された“進むべき方向”に向かって、行動は自由に、セルフマネジメントとして、“自ら考え行動する”人に一刻も早く育たなければならない。
 

“得るべき成果”を得るために、“出すべき結果”は何か?
 
“出すべき結果”を出すために、“取るべき行動”は何か?
 

を全社員が、自らの立場を正しく認識したうえで、『自ら考え行動する人』に育って欲しい。
 
最近、全国のさまざまな会社で新入社員研修を続けて行ってきたが、年々、“指示待ち人間”が増えている実感がある。彼らが悪いのではない。受けた教育と育った環境が、“指示待ち人間”を創っているのである。
 
あらためて、『強い会社』を創るために、セルフマネジメントとして、“出すべき結果”と“取るべき行動”を“自ら考え行動する人”が育つ仕組みを創る事が急務であると強く思う次第である。

 

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