ある団体が主催した『特徴企業経営者フォーラム』での、T社長の話。
アメリカ人技術者が、日本で工場見学を行なった。
工場のあちらこちらに、赤いライトが設置してあったので、“何の為”かを尋ねると、
“工程途中で故障が生じた場合、赤いライトを押せばコンベアがストッ プするのだ…”という説明。
そこまでは当たり前の話だが、くだんの技術者が驚いたのは、
現場の一作業者でも自分の判断に基づいて「工程を止めることがで きる権利」を持っているという事実であった。
彼が驚いたのもそのはず。
アメリカでは、そういったボタンを押すことができるのは、管理・監督者だけに限られているからだ。
技術者は、続けて語った。
“もしかしたら、こんな所に日本の生産性の秘訣があるのではないか”と。
真の生産性とは、表面上の「効果」「効率」に加えて、もうひとつのエクストラ・タッチ(Some Extra Touch)、
言い換えると、「心」の部分があることをいうのではないだろうか。
真の生産性とは、「2つのK」ではなく「3つのK」から成り立っているという点を銘記すべきである。
新 将命