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健康

第6回 「氣を切らない」

社長の「氣」

 「氣」は常に通っているのが本来の姿です。しかし、心の使い方・身体の使い方を間違え、不自然な使い方をすると氣は切れてしまいます。
 
 一つの動作の終わりは次の動作の始まりであり、一つの期間の終わりは次の期間の始まりであり、一つの出来事の終わりは次の出来事の始まりです。氣が切れることは一瞬たりともありません。
 
 ゴールデンウィークを終えて、思うように仕事に戻れないという人がいます。中には具合が悪くなる人さえいます。これはゴールデンウィークによって氣が切れることで生じています。休みの終わりまでしか氣が通っていなかったということです。どうしたら氣は切れないのでしょうか。
 
 それはちょっとした工夫で解決出来ます。休みに入る前に、休み明けの仕事を確認しておくだけで良いのです。これだけで、休みの終わりと仕事の始まりに「切れ目」がなくなり、氣は切れなくなります。
 
 氣を切らないというと、「休みの間も仕事のことを考える」と間違えて捉える人がいますが、そうではありません。それでは休みにはなりませんね。仕事の戻り口を確認したら、あとは忘れて休みに専念して良いということです。
 
 一度、氣が切れてしまうと、元に戻るには大変なエネルギーを要します。休みの度に氣を切っていたら、それだけで氣を消耗してしまいます。
 
 大きな成功を収めた後も氣が切れやすいタイミングです。「これで終わった!」とホッとして、そこで氣が切れてしまうのです。私はオリンピックのメダリストを指導していますが、満足な結果を得られると、そこで燃え尽きてしまう選手が多くいます。
 
 だからこそ、コーチや周囲の人間が、選手の氣が切れないように導くことが重要なのです。次の目標や次にやるべき事を上手に設定しておくだけで、選手の氣は切れなくなり、調子を落とすことはなくなります。
 
 会社でも大きなイベントの後に氣が切れることが多くあります。私が指導しているある社長は見事に会社を上場させましたが、その直後に心身共に大変調子を落としてしまいました。
 
 後に元氣になってから「あれほど先生に言われていたのに、氣を切ることが如何に怖いことか思い知りました」と言われていましたが、出来ればそうならないようにしたいものです。
 
 私自身も大きな仕事の後には、いきなり休みを取ることはしません。必ず次の仕事を入れておき、氣が切れないことを確認してから休みを取ります。未熟な頃は休みになる度に風邪を引いていましたが、氣を切らないようになってからは、調子を落とすことは完全になくなりました。
 
 「氣を切らない」ことは、私の父であり師である藤平光一から教わりました。
 
 藤平光一は、戦地で「氣を切らない」ことを体得しました。学徒動員の直前に、慶應義塾大学を半年繰り上げ卒業で戦地に送られた藤平光一は、小隊長として外地を転戦していました。
 
 そこである体験をします。行軍中の厳しい環境では、生水を飲んでも腹を下す兵隊は一人も出ないのに、街に駐留して安全な水を飲んでいると兵隊は一斉に腹を下したそうです。このとき初めて「氣を切る」ということを知ったそうです。「もう大丈夫」と氣を切った瞬間に不調が出たわけです。
 
 最も危険な状況に置かれたのは、戦地で敗戦の知らせを受けたときでした。敗戦の知らせを受けた部隊は、みな膝から崩れ落ちて泣いたそうです。命をかけたことが総て無駄に終わり、部隊の氣は完全に切れていたそうです。
 
 もはや見張りに立つ者は誰もいません。敗戦の知らせが届いていないところはまだ戦火にあるなか、氣を切る危険を知っていた藤平光一は、自ら寝ずの番に立ったそうです。
 
 翌日になって幾分落ち着いてからは、部隊は元に戻ったそうですが、この晩が最も危険な瞬間だったわけです。
 
 戦地から復員後、両親から「温泉にでも行ってきたらどうか」と言われたものの、翌日からきつい農作業に出て、三週間かけて作業量を徐々に減らして、それから身体を休めたそうです。
 
 命の危険にさらされていた環境から、いきなり安息な環境に変われば氣が切れることを知っていたためです。後に地元で、復員直後に温泉に出かけて突然死をした方が何人もいたことを聞かされたそうです。
 
 「事業を継承した後」や「受験に合格した後」など、人生において氣を切りやすいタイミングはたくさんあります。「一日の終わり」「一週の終わり」「一年の終わり」など、日常生活にもたくさんあります。自分がいつ氣を切りやすいかを知り、少し先の予定や目標まで確認するだけで、氣は切れなくなります。
 
 経営者・リーダーには、自分自身が氣を切らないだけではなく、周囲の方々をも氣が切れないように導くことが肝要なのです。
 
 藤平光一について関心をお持ちの方は『氣の威力』(幻冬舎刊)という本があります。この連載とあわせて、お読み頂けたら幸いです。
 
 
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