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第34話 ステイホーム状況下のヒット商品

北村森の「今月のヒット商品」

 お仕事のうえでも、日常の生活のうえでも、毎日が大変なご状況とお察しします。今回のテーマは「ステイホームという緊急事態下で注目されている商品」です。

 

 私が取材を続けているなかで実感したのは、いま光が当たっている商品の多くは、新製品や、トレンド感たっぷりの製品とは必ずしも限らないということでした。この状況にあって少なからぬ消費者が手に取っているのは、言葉は悪いですが一見枯れた商品、古くからあるのが当たり前の商品、もっと言えば、こういう事態だからこそ見直された商品とも考えられます。

 

 ネットの大手ショッピングモールの売れ筋を見てみましょう。楽天市場のデータを取り寄せてみたところ、昨春に比べて明らかに売れているのは、例えばカラオケ機器、ゲーム類(それもアナログ系のです)など。キッチン小物ですと、ワッフルメーカーが前年同月比で約225%増と出ています。スポーツ用品では、家庭用トランポリンと縄跳びが、前年同月比で100%増を大幅に超えています。

 

 また、リアル店舗で言いますと、私がこの目で見てきて驚いたのは、大型連休中に小麦粉とドライイーストが大手どころのスーパーマーケットで相次いで品切れになっていたことでした。自宅に長くいるのだから家族でパン作りでも、という人が急増したからでしょうが、一部では、転売目的で買い求めた人も少なくなかったとの指摘も上がっていました。それは残念です。ポジティブな意味でのヒット商品とは言えませんね。良くない現象です。

 

 こうしたなかで、私が個人的に取り上げたい商品、ここから2つお伝えしますね。

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 これ、「カルカソンヌ」というロングセラーのボードゲームです。小さなタイルを卓上で順につないでゆき、都市や道を形づくりながら得点を競うというゲーム。なぜこれを取り上げたかと言いますと、この「カルカソンヌ」、ルールの奥がとても深く、腕利きが集結しての大会が催されるほどの存在なのですが、その一方で、軽く遊ぶにも適しているという性格を帯びていると思うからです。

 

 とことん突き詰めて、このゲームの深奥を掴もうとすれば、世界的な大会を目指すということになりますが、ルールの基本はそれほど複雑ではないので、例えば家族3世代で楽しもうというケースでも、それ相応に堪能できます。そこが面白いところでもあり、ロングセラーのゆえんでもあると思います。

 

 国産のボードゲームで言いますと、楽天市場では「人生ゲーム」が前年同月比で約232%増です。こういう状況下で、家族で一緒の時間をすごすためにこうしたアナッログ系のゲームに注目が再び集まっているわけですね。

 

 

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 もう1つ、今度は新しい動きから生まれたヒット商品もお伝えしましょう。「ごちめし(ささきめし)」というアプリです。

 

 いま、全国各地の飲食店はとても大変であると思います。テイクアウトの料理を販売し、少しでも売り上げを立てようとしているお店も少なくないですね。

 

 ただ、そうしたお店を1人の消費者として応援したくても、自宅から遠い距離にあって、テイクアウト利用できないというケースも当然あります。ずっと贔屓にしているお店であり、なんとか支えたいのだが叶わない……。

 

 「ごちめし」というのは福岡に本拠のあるベンチャー企業、Gigiが昨秋登場させたアプリです。アプリから参加飲食店を閲覧して、そのなかの1軒を選び、クレジットカードで飲食代金を決済します。で、好きな誰かを指定して飲食をごちそうできるというが「ごちめし」です。

 

 で、この状況下にあって、今年3月、同社は「ごちめし」のプラットフォームを利用して「さきめし」というプロモーションを開始しました。何かというと、ごちそうする相手を「好きな誰か」にするのではなく「自分自身」と入力するんです。そしてクレジットカード決済してしまう。すると、飲食店には最短1週間でその代金が振り込まれる。自分自身は180日以内にお店に行って飲食すればいい。

 

 つまりこれ、飲食代金の先払いサービスなんですね。いまは行けないけれど、代金を先に入れるから、当座をなんとかしのいでくれれば、という思いに応えるサービスなわけです。

 

 社会的意義のとても深い新サービスである、と私は思いますし、実際、3月の登場以来、大きな反響を呼んでいますね。参加店舗は全国各地からすでに1000を優に超えていると聞いています。こうした「分かち合い」のサービス、さらに広がってほしいなあとも感じますね。

 

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