不正が起きる機会をつくらない
2つ目の要素は、不正を働くことができる「機会」や環境です。
例えば次のような仕事の仕方をしていないでしょうか。
・資金管理を1人で何年も担当している
・経費精算を検証せずに支払っている
・支払承認が形式的で取引内容を検証していない
このような業務上の隙間や抜け穴を突いて、不正が発生します。
検証体制がないので、不正が発生していても、問題として認識されにくく、長期間放置されて、被害が大きくなってから発覚するケースも珍しくありません。
中小企業では、組織体制や人員が不十分であり、1人が複数の業務を兼務することが多いため、ダブルチェック体制が整っていない場合が多いです。
特に会社の資金に関連する業務に関しては、内部統制を強化し、報告義務を徹底させることが大切です。
また、不正が発生する機会を減らすためにも、担当者を2年から3年で定期的に交代するとともに、承認検証体制を見直しておくことも重要です。
「動機」があっても、社内の内部統制や監視体制がしっかりしていれば、不正は起きにくくなります。
同じ経理社員が1人で3年以上資金管理をしていませんか?