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- 第230号 ベトナム経済を支える「越僑」とは
私が海外戦略において基本としている「タイ・プラスワン」の目指す先は、ベトナムである。日本の中小企業にとってベトナムは、先行者利益を掴むことができる数少ないフロンティアだからだ。またベトナムは、アセアン諸国でも経済の根幹を握る“華人経済圏”の外側で独自路線を歩んでおり、比較的華僑の影響が及びにくいビジネス環境であることも、その理由の一つである。だが、ベトナムにはいま世界中からあらゆる資本が流入しており、タイムリミットは刻々と近づいている。今年中には、なんとしても進出のキッカケを作っておきたいところだ。
ベトナムの中間層は、1,000万人と言われており、その半数は、ホーチミンとハノイに集中している。ベトナム経済を支えるこの中間層は、2020年には、3,000万人を超えると予想されており、タイに匹敵するマーケットとして有望視されている。
このように経済成長の続くベトナムを下支えしているのが、「越僑」と呼ばれる人たちである。越僑とは、国外居住するベトナム人や外国籍を持つベトナム系移民のことで、ベトナム外務省によれば、約400万人が米国、フランス、カナダなどを中心に、世界各地に散らばって活躍しているという。この越僑の中核となっているのが、ベトナム戦争を機に海外移住した人たちの子ども世代である。急成長しているベトナムに商機を見出し、里帰りして米国流のビジネスノウハウなどをもとに起業したり、外国企業のベトナム進出を支援したりと、国際的なビジネス感覚を身につけた「越僑」たちがベトナム経済をあらゆる面から牽引している。
私のベトナムビジネスも、日本とベトナムの両方に顔が利くキーマンとの関係性がカギとなっており、いま新たなステージに向かっている。