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- 第73回 スマホの音声翻訳はココまで進化した!
ビジネスでもプライベートでも、外国語で会話ができれば…と思うシーンが多いことでしょう。しかしながら、語学の習得はそう簡単でないのも事実。特に、英語を除いては、簡単な単語も分からないものです。
グローバル化が進み、日本人の海外進出はもちろん、訪日外国人も大幅に増加しているのは肌で感じますし、2020年には東京五輪で世界中から様々な言語を話す人々が集まることでしょう。
そうした状況も踏まえ、期待されているのが、実用的な音声機械翻訳の実現です。
幸い、近年はスマートフォンやインターネットが普及し、高度な翻訳が行える素地が整ったことで、各社・各団体が、研究開発を進めています。
今回は、そうした未来の音声機会翻訳を無料で体感できる無料アプリ「VoiceTra」をご紹介します。
■VoiceTraとは?
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が研究開発の成果を使い易く仕立てた、スマートフォン用のアプリで、誰でも無償で利用できます。実証実験の意味合いもあり、利用者が増えることで、翻訳精度のさらなる向上が期待できます。
現時点での対応言語数は31言語、うち、22言語は音声入力、16言語は音声出力が可能と、多言語対応が特長です。(15言語が音声入力と出力の両方に対応)
実際に使用してみると、音声認識率の高さ、翻訳の自然さもハイレベルで、複雑ではない日常会話なら事足りそうです。
また、翻訳結果を、入力した元の言語に再翻訳する機能があるので、正しく翻訳されているかどうか確認できるのも安心です。
■実際に使ってみましょう!
アプリは無償でダウンロードして利用できるので、皆様各自で直ぐにお試し可能ですが、ここで簡単にご紹介しておきましょう。
<想定1: 中国からの訪日者に道を尋ねられた>
中国語と分かっても、何語かを判断するのは難しそうですが、VoiceTraの翻訳機能を利用して答えれば、日本語や英語で答えるよりも親切ではないでしょうか?
画面画像は、使用例です。
日本語で「二つ目の交差点を左に曲がったすぐそこです」と話すと、正確に日本が入力できました。この音声認識精度だけでも驚くべき性能です。
また、翻訳の意味として「二つ目の角を左に曲がるとすぐそこです。」が表示されています。「交差点」が「角」になってしまった可能性は否めないものの、翻訳は正しくまた、大きく間違っていないことが確認できるのも安心です。
<想定2: 韓国でタクシーに乗る>
筆者の場合、海外ではタクシーの利用が便利に感じつつも、行先のはっきりした公共機関を利用しがちです。
タクシーを利用する場合、事前に準備しておけば、行先を伝えるのは簡単ですが、ドライバーからの返答が理解できないと不安です。
そんな時も、VoiceTraなら、相手の言葉を翻訳してくれるので、安心材料になるでしょう。
簡単な会話を試してみました。
「明洞まで行ってください。」(画面画像左側/緑色)は、逆翻訳を見ると、正しく翻訳されたことが確認できます。
また、VoiceTraは、韓国語の音声認識と日本語への翻訳にも対応しているので、相手に話して貰うだけ(画面画像右側/オレンジ色)で、難なく日本語に変換して発話もされました。
日本語以外の言語はどの程度の音声認識精度を備えているかは不明ですが、日常会話の範囲なら、かなり使えそうです。
■さいごに
AI(人工知能)の開発が進んで利用し易くなり、音声翻訳も飛躍的に進化しそうです。近い将来、耳に装着したイヤホンで、あらゆる外国語をリアルタイムで翻訳して理解できる日がやって来るかもしれません。
とは言え、相手の言語を習得して話すのも楽しいもの。筆者の場合、学習中の言語をVoiceTraに話して正しく認識されるかどうかを確認し、スピーキングの練習に利用しています。
無料で驚くべき高性能な翻訳アプリVoiceTra。話しのネタとしてもいかがでしょうか?