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仕事術

第20回「AVトレンド 「音質向上」で快適テレビ視聴」

デジタルAVを味方に!新・仕事術

薄型テレビに買い替えてから、「テレビの音が悪くなった」と感じていませんか? 近年、薄型化競争が激化するのに伴い、音質のさらなる悪化が懸念されています。

今回は、テレビの音質が悪くなった背景と、対策方法や今後についてご紹介します。今後のテレビ選びは音質が鍵に?! 画質が向上すれば、音質も良くする必要がある?!

 

薄型化と音質悪化の関係
テレビはブラウン管から、プラズマや液晶に移行し、「薄型テレビ」が当たり前になりました。しかし、薄型テレビとはブラウン管に比べての「薄型」であり、登場当初は画面部分の厚みが10cm程度以上もありました。この頃のスピーカーは、画面の両側や下側など、前面に配置され、音質面ではそれ程不利ではありませんでした。つまり、ブラウン管テレビと大差はなかったのです。

その後、技術開発による部品の小型化がテレビの「薄型化」を可能にした結果、各社は「薄型」を競い、今では50型もの大画面テレビが1cmを下回る極薄の製品も登場しています。壁掛け設置でない限り、台座の奥行きが必要なので、実際にはそれ程の薄型化は不要と言えますが、マーケティングの観点から「世界最薄」のようなフレーズは響きが良く、付加価値としても訴求し易いものです。さらに、薄型化の次は、画面の縁をギリギリまで狭くする「狭縁化」が進み、結果、テレビは映像を映す画面以外、「余計なモノ」として、そぎ落とされてしまいました。

この薄型化で大きな影響を受けたのが「音」です。きちんと音を鳴らすには、ある程度の容量を持つスピーカーが必要です。オーディオ装置のあの「大きな箱」が、今やテレビには搭載するスペースがありません。また、最新のテレビに注目すると、スピーカーがどこに搭載されているのかさえも分からなくなっていませんか? 実は、スピーカーは画面の下側に取り付けられ、音も下側へ放出される製品が多くなっているのです。これでは、音が悪くなるのも当然です。薄型テレビの音質悪化は、過剰なダイエットによる副作用といっても過言ではないでしょう。

 

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音の注目したテレビの製品例:スピーカーを画面下側に配置した製品の例


持ち直すテレビ市場

2011年、地上波放送がデジタル化(地デジ化)されるタイミングで、多くの方が薄型テレビに買い替えました。以降、テレビの売上が低迷しているのは事実です。一方で、地上デジタル放送が開始されたのは2006年、つまりその頃に購入された薄型テレビは約7年使用されている計算で、2013年~2014年はそれらの買い替えが始まる時期にあたり、需要が持ち直すと見られています。また、2006年当時は地デジ対応テレビが登場したばかりで価格も高価でした。そのような「先取り」ユーザーが買い替えとなると、画質や音質の良い、比較的付加価値の高い製品に注目が集まると考えられます。


テレビの付加価値として注目される「音」
販売の持ち直しが期待されるテレビ市場において、テレビメーカー各社は、音質に注力する動きが出てきました。例えば、ソニーが発表した次世代高画質の4K(画素数がフルHDの4倍)テレビは、画面の両側に立派なスピーカーを備え、本体背面に低音を受け持つサブウーファーを内蔵するなど、音質を大幅に強化しています。パナソニックは、上位モデルで画面の両側から前面に音を放出するよう、構造を改めました。三菱は以前から「音」に着目し、テレビとは思えない大型スピーカーを前面に配置し、オーディオとしても利用できるテレビで、他社との差別化を図ってきました。

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音の注目したテレビの製品例: 三菱電機 LCD-46MDR3

 

また、テレビを買って間もない方には、音質を強化するオーディオシステムが人気です。

例えばBOSE社の「Bose Solo TV sound system」は、テレビとテレビ台の間に設置するスタイルなので、オーディオ用に特別なスペースを設ける必要がなく、目立たないのも特徴です。それでいて、豊かな低音や肉厚のセリフ、音楽や効果音がクリアに聞こえ、「テレビの音ってこんなに良かったんだ!」と思える「音」が楽しめます。

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Bose® Solo TV sound system

 

元来、テレビ放送は、地デジ化に伴って、音声もFMラジオレベルからCDレベルに向上しています。しかし、テレビの薄型化で音質が悪化し、その進化に気付くユーザーは少なかったはずです。テレビの音質向上、あるいは、良質なオーディオシステムを追加すれば、テレビ番組も良い音で楽しめます。手の込んだCMなどでは、ハッとするような場面もあるでしょう。

また、DVDやブルーレイによる音楽や映画ソフトは、テレビよりも更に高音質で収録されています。

「音質の違いなんて分からない・・・」と言う人も多くいますが、良い音は、小音量でもアナウンスやセリフなど、人の声が明瞭で聴き取り易く、また、大音量で長時間視聴してもうるさく感じず、疲れにくいものです。

 

さいごに
2013年は、4Kと呼ばれる高画質テレビ元年となりそうです。4Kとは約4000×2000の画素数を持つテレビの通称で、現在のフルハイビジョンと呼ぶテレビ(1920×1080)に比べると、4倍の高密度を誇ります。2014年には、一部で4K画質の放送が始まったり、インターネットを通じた映像配信も増える見込みです。

50型を超える大画面と4K時代を迎え、ユーザーが相応の音質を求めるのも時間の問題でしょう。かのジョージ・ルーカス監督も、「映像と音は、フィフティー・フィフティーであるべき」とし、映画館の音質を保証する規格「THX」を立ち上げました。

メーカーや流通など、製品を供給する立場としても、消費者の立場としても、今後はテレビの「音」に注目してみてはいかがでしょうか?

鴻池賢三

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