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第八話 足元を掘れ!そこに泉が湧く(北星鉛筆)

社長の口ぐせ経営哲学

企業活性化の鍵は自助努力が不可欠である。
景気に左右されないだけの自社の努力こそ企業発展の要である。
老舗の企業には長年の貴重な経験が貯まっているものだ。
これを企業成長の起爆剤にできるかどうかが、経営の舵取りといってもいい。

創業50年の学童鉛筆メーカーの北星鉛筆株式会社(本社・東京都中央区、年商5億6000万円)は
鉛筆の製造時にでる「おがくず」の再利用で製品化に成功、新しいジャンルの事業を展開するまでに広がりを見せている。


鉛筆を製造する工程で出る大量(40%がおがくずとして排出)の産業廃棄物・おがくずの再利用の研究開発が進んだ。
同社が進めている地球環境に合った循 環型鉛筆産業システム化の構築に動き出したのである。
最初は木粉を固めてキャンプ用の薪を製品化したが、コスト面で一般普及には至らなかった。


続いて研究開発の結果、固まったものを粉にするアイデアで新しい粘土が3年前に完成した。
自然乾燥すると素焼き風の軽くて丈夫な木になる粘土「木の粘 土・もくねんさん」が商品化、
発売と同時に売れ行きも伸び、現在も好調という。


再び、乾燥すると木になる不思議な絵の具「ウッドペイント」を玉川大学芸術学部との共同開発で商品化を実現した。
「ウッドペイント7色セット」はパンフ レット1枚、筆2本、説明書付きで2500円で発売中。
実はウッドペイントは「木彩画」という新しいジャンルに挑んだ商品である。
木彩画は自然素材(木粉)を原料に、乾くと木になる「木の絵の具」と「木の粘土」を駆使することで、
造形表現(絵画・スクラッチ・カラーレリーフ・立体造形など)としての可能性が広がる表現方法である。
世界初(国内、国際の特許を申請中)である。


同社の杉谷和俊社長(57歳)は、おがくずをどうしたら生かせるか、日夜考え続ける“想い”からアイデ アを生み出している。
アイデアが浮かんだら、すぐに実行するエネルギーが大切という。

研究開発の途中の杉谷社長の口ぐせは
「足元を掘れ!そこに泉が 湧く」
「研究開発で大事なことはアリの目線と鳥の目線の両方を行ったり来たりすること」
と檄を飛ばしている。


鉛筆製造一筋の専門メーカーの北星鉛筆株式会社は
「鉛筆は、我が身を削って人の為になり、真中に芯の通った人間形成にも役に立つ立派な職業。
故に、鉛筆 がある限り、家業として続ける」との精神で会社経営に当たっているという。
的確な発想と粘りが新しい商品を世の中に送り出しているのだ。


                                                      
上妻英夫

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