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- 第8回 仕事で差がつく!相手の意見にやんわりと反論する方法
夏のつかれが心身に出やすい今の時期、気をつけてはいても、つい対応が雑になることがありませんか。
小さなことにイライラして、理不尽なことに対してつい頭ごなしの書き方や指示の出し方をしてしまう……。そうした事態にならないよう、今回は相手に意見を言うとき、抗議するときの文章の書き方をお伝えします。
感情論での反論や抗議ではなく、客観的な視点から冷静に意見を伝えることが求められます。
その際のポイントは次の3つ。
1. まず相手の意見を認めること
2. 次にあなた(会社)の意見を端的に伝えること
3. 今後の対応を提案すること
冷静でないと客観的な視点を保つことはできません。「納得できません」「〇〇さんは間違っていると思います」といった感情的な言葉は一切持ち出さず、あえて丁寧な言葉を選び、コンパクトにまとめることでヒートアップする気持ちを抑えましょう。
その際、反論するのではなく、歩み寄るためには今後どうすればよいと思うか、考えを整理したうえで先につながる書き方をすることもポイントです。
とりわけ、経験が浅い若手社員や女性にとって、いかなるときも冷静さを保つというのはむずかしいものです。
社員を指導する際には、書き方の工夫のほかに、次の方法についてもすすめてください。
・上司や先輩など、第三者に意見を求めたうえで書かせる
・書いた文章(メール)を声に出して読ませる
・書いた文章(メール)をプリントアウトして読ませる
・書いた文章(メール)を翌日(または最低でも数時間おいて)読み直させる
・鏡を見て、笑顔をつくってから書かせる
・コーヒーやチョコレートを用意して、ひと息ついてから書かせる
■取引先の意見にやんわりと反論して、再検討をうながしたいとき
<例文>
ABC商事
業務課長 夏野名残様
いつもお世話になっております。
先日は貴重なご意見、ご提案をありがとうございます。
社内であらためて検討いたしまして、
条件面で少しクリアしなければならない点がございます。
誠に恐れながら、再度、
歩み寄りのための打合せの場を設けていただけないでしょうか。
成果につなげていけるよう、引き続き努力してまいります。
XYZ事務所 初秋花美
<ポイント>
・まず相手の意見を認める(=貴重なご意見、ご提案をありがとうございます)
・次にあなた(会社)の意見を端的に伝える(=条件面で少しクリアしなければならない点が)
・今後の対応を提案(=歩み寄りのための打合せの場を設けてほしい)
後になって「しまった!」と反省する対応をしてしまうと、それがメール1通のことだとしても、感情がこじれ、トラブルに発展しかねません。
仕事で差がつきやすいところですから、取引先との信頼関係づくりにおいてはもちろん、社員教育にぜひお役立ていただければ幸いです。
◎すぐに使える! やんわりと反論し、相手の対応をうながすフレーズ
・貴重なご意見をありがとうございます
・社内で検討し、あらためてご連絡いたします
・少し検討する時間をいただけましたら幸いです。来週またご連絡いたします
・おっしゃる通りだと思います。その上で、・・・・
・ごもっともだと思います。そして、・・・
・再度、話し合いの場を設けていただけないでしょうか
・再度、ご検討いただけましたら幸いです
・引き続きご協力のほど、よろしくお願い申し上げます
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