悪気はないのにいつの間にか加害者扱いされてしまうリスクも…。
孫子の名言に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」があります。
会社として対策を講じるには、まず時代背景、発生するメカニズムを知っておく必要があります。今回は主要なハラスメントについての背景と概要を解説していきます。
平成24年までは相談内容のトップは解雇でしたが、25年以降はいじめ・嫌がらせがトップです。こうした相談内容のうち、本人がいじめ・嫌がらせと言っても客観的に観ると、「それはあなたが悪いですよ。」という内容も含まれていると思われます。
私の推測ですが、解雇をするのは難しいという認識は世の中に広まってきているので 慎重になり、無茶な対応が減っているから解雇についての相談が減っているのではないかと思います。
いじめ・嫌がらせの相談件数が増えているのはいくつか要素があると推測しています。
1つ目は、インターネットで誰でも簡単に情報を得られるということです。
例えば「パワハラ」と検索したらいろいろな情報が出てくるだけでなく、インターネット上の掲示板に悩み事を書けば、見知らぬ人が親切に答えを教えてくれます。だから自分に不都合なことがあればすぐ調べて、自分が有利になる対策を知ることができます。
2つ目は、世間の風潮です。ブラック企業というキーワードが世の中に広く知れ渡り、ちょっとでも嫌なことがあるとすぐに大事にしたり問題視する空気があります。
正当な注意指導であってもちょっと厳しくされただけでパワハラという認識を持つ人が 増えています。
3つ目は、解雇が難しいという認識が広まっているということです。
人を辞めさせるのは難しいというのは、多くの人が知っているため、安易に解雇をしないようになりました。その代わりに本人から辞めるように強いプレッシャーをかけたりすることが増えています。これがいじめ・嫌がらせにつながっている傾向があります。
なんでもかんでもハラスメント化される時代
こんなことは宴会ではありがちですよね。これだけでなく、ネットで調べると30以上ものハラスメントが出てきました。
「そこまで神経質にならなくてもいいことだよね?」ということであったとしても、職場で「〇〇ハラスメント」とキーワード化されて社員から問題視されると会社もなんらかの対応をしなければならなくなり、どうすればいいのか頭を悩ませているという実態があります。
労働問題として挙げられるハラスメントはセクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラくらいですし、多くはこじつけだったり、パワハラの派生だったりするので主要なハラスメントの定義を押さえ、対応法を把握しておけば大丈夫だと思います。
簡単に言うと、性的嫌がらせです。次のように定義しています。
簡単に言うと、職場での仕事にかこつけたいじめです。次のように定義しています。
(3)モラルハラスメント(モラハラ)
簡単に言うと、精神的な暴力です。次のように定義されています。
簡単に言うと出産・育児を理由とした嫌がらせです。次のように定義されています。
そこで職場の人に話を聞いてみるとこんな答えが返ってきました。
そもそも休憩時間は個人の自由ですから、それぞれがどのように過ごそうが自由です。
だから別に無理して誰かと話す必要もありません。
休憩時間に自分の気分を害する人と話したいという人はいないでしょう。
この男性社員は自分にも問題があることは一切認めず、周りのせいにする言動ばかりでした。
実際にこのような問題が起きた時にどのように対応すれば良いかという具体策を次回解説していきます。