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人間学・古典

第37講 「言志四録その37」
老人の一話一言は、皆活史なり。

先人の名句名言の教え 東洋思想に学ぶ経営学

【意味】
お年寄りの話や言葉は、その人の人生の体験史である。


【解説】
まず一般論としては、機会があるごとに年上の人の話を聞くことが大切といわれます。
可能ならば5歳ぐらい年上で何かと共通点がある方がよいでしょう。
7~8人に聞いてみると、自然と自分の今後5年間の人生対策が浮き彫りになってきます。


ゴルフなどをしながらこの種の先輩パートナーに聞いてみますと、まずスコアーがどのように変化し、
体力と年令の関係がどのように変わるかを極めて丁寧に教 えてくれます。
この時事前にこちらが聞きたい情報を準備して昼食の時などに尋ねれば、
ゴルフと同様にしっかりと人生のヒントも教えてくれるのです。
単にゴ ルフができてスコアーが良い環境よりも、人生の先輩から貴重な知識や情報を得ることのできる
ゴルフ環境の方が、はるかに凄いことで、このような人こそ、人生名人・ゴルフ名人のダブル名人といえます。

人類700万年の歴史の中での習性なのかもしれませんが、
年下の者に質問されることは年上の者にとっては嬉しいことです。
しかしこの際の留意事項として、 先輩の言葉を否定したり批判したりすることは避けるべきです。
気持ちよく自分の体験を語っていただく心掛けが必要です。


人間学的にいえば、更に上手な年上の方の体験を活用する方法があります。
それは自分が尊敬する人物(伝記の中の人、身近な生活の中の人)からの人生体験情報の活用です。
その方が失敗した年令やその時の心の苦しみを調べたり聞いたりすることです。

尊敬する方の人物器量は大きいですから、成功体験はなかなか真似できかねるものですが、
失敗体験は器量には関係ありませんから意外に活用できます。

例えば、大人物のあの方でも40歳の時にはこのようなピンチの中でもがき苦しんでいたとか、
大成功者のあの社長も50歳までに2度も倒産の危機に瀕している・・・というようなことです。
これが解りますと、大人物でない自分であればこの程度の苦労をするのは致し方がないという諦めが生まれ、
次なるピンチ脱出法を考える余裕も生まれます。


明治維新の立役者の勝海舟も咸臨丸に乗ってアメリカにわたる37才の時に、自暴自棄の癇癪を
破裂させて太平洋のど真ん中「バティーラ(救難艇)を降ろせ!」叫んでいます。

一方の立役者の西郷南洲も32才の時に勤王派の月照和尚と投身自殺を企てています。
結果的に助かりましたが、後々の人々に大西郷として崇められている人物でも
このような前半生を生きているのかと想うと妙に安心します。


また、ご自分の経験を喜々としてお話していただけるお年寄りに接してみて思う事があります。
それは、「若さを失うことは、そんなに悲しいことではないかも知れない・・・」ということです。
更に「本当に悲しいことは、人生の大切さに気付かないで生きることなのかな?」とも思います。

若い時には無限に続く人生と錯覚しますから、日々の生活を粗末にしがちです。
「無常人生」とは仏教用語であり、人生の残りの日々が一日一日消滅していることを自覚して生きることです。


世間一般論として「青春を賛美し老境を厭う傾向」がありますが、今まで無常を自覚しないで
生きた人が多かったから、このように臨終日から遠い青春時代を賛美するのかもしれません。

しかし元気な老人先輩達に接してみますと、余命の日々を大切にする無常人生のレベルで生きれば、
『老後人生こそ溌剌とした日々な のだ!』ということを教えられます。

 

杉山巌海

第36講 「言志四録その36」平生便用するところの物件は、撫愛して毀損することなかるべし。前のページ

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