下の写真は、私の指導先のY社です。今、いろいろなところで話題になっているゴーヤカーテン(上)、ヨシズ(下)です。
ゴーヤはもちろんですが、ヨシズにも時々水をやると、そこでまた温度が下がるそうです。こういう自然がビジネスの場に入ってくるのは何か素敵だなあと思います。
暑中お見舞い申し上げます。毎日本当に暑い日が続くようになりました。思い出すと、去年も暑い日の連続でした。
「真夏日」が普通で、それより暑い日が「猛暑日」となって、昔でいう普通の温度の日は今だったらなんと呼ぶのかな、「昭和の夏日」はどうか…などと考えたことを思い出しました。少し前では聞いたことがない言葉が次々と生まれています。
そして、今年もまた新しい言葉を聞くようになりました。「電気予報」です。初めて聞いた時には「天気予報」の聞き間違いかなと思ったものですが、既に日常生活に定着しつつありますね。
指導先の工場にお邪魔すると、どこでもデマンドコントローラーなどを使って電力の制限値を超えないよう注意して、仕事をしておられます。これまでは電気は使い放題の感があったのですが、全く違う状況になるとまた新たなニーズが生まれチエが出始めます。
先日お邪魔したS社でも、社長を筆頭に幹部全員とその職場の担当者でKZ法を実行しました。その結果、結構キツキツであったはずの一つのフロアーがわずか3時間の活動でガラガラの状態になりました。
今後、他のフロアーでも実行しますので、短期間のうちに一つのフロアーが完全な空き地になりそうです。
この空き地化による電気代の節約効果は絶大で、また、先回申し上げたようにスペースの獲得は将来の経営に対するポテンシャルの確保であることから、極めて有意義なKZ法体験であったとT社長が感想を述べられました。
そこで、今回からしばらく「KZ法」を使って、全社で知恵を出し合う方法についてお話ししたいと思います。(以前にお約束しました「最強のモノづくり」のレベル4~6のお話は少々延期といたします。)
「KZ法」は私が20年間のコンサルタント活動の中で作り上げた方法で、Kは改善、Zは全社を表します。
特徴は、社長を筆頭に、幹部全員で現場に行くことです。そこで、すぐ使わないモノや問題のあるモノにカードを貼って、それを一か所に集めます。
すると、そこでいろいろな全社的問題、例えば営業の問題や、設計の問題、あるいは調達や管理の問題といった様々な全社的な問題が見えてくるのです。
そこで、現場で社長以下幹部と現場の人間みんなで見て、触って、討議して、解決に結びつける。すなわち、KZ法は別名「経営を変える5S活動」なのです。
それにしても、なぜ現場で活動することが経営に結びつくのか?と思われる方も多いでしょうが、「現場にあるモノの中には見えない状態で全社の問題が存在している」という私の持論からきているのです。
例えば、コストダウンを課題にあげた購買部門の人が、単価を下げるために部品を多めにまとめて買ったとしましょう。
たくさんまとめて買うと値引きされるからです。本来の原価計算はすべての部品が生産に使われ製品になって、それが全部売れて、代金が完全に回収された時点で、逆算していくらだったかが分かるべきものだと思います。
しかし、そういう計算は不可能ですから、実際にはたくさんの部品を買った時点で一個当たりいくらという計算をしてしまい、そこで購買部門の仕事は終わります。コストは下がり、目標達成という結果が出て、シャンシャンシャンと締めくくったのです。
ところが、実際に現場に行って見てみたら、使われずに残った部品が埃だらけの段ボールにドッサリ入っている…。「何じゃこりゃ!」と、幹部の方々が社内にある大きな問題に気付きます。コストダウンどころか、超コストアップが昔から、そして今も起きているという事実を見ることになります。
もちろん、それだけではなく、その他にも設計や営業や管理が原因の、びっくりする事実が「現場」に、そして「モノ」に隠れて潜んでいるのです。そこで、次回からその詳細を具体的にお話しいたします。
8月10日に東京で、緊急セミナーを開催します。日本のモノづくりは、今、大変革期を迎えています。過去と同じ考え方・つくり方では、到底生き残ることはできません。そこで今回、中小メーカー企業が、どんな環境変化にも耐え、生き残るための5大戦略を述べたいと思います。
セミナーの詳しいご案内、申し込みは以下よりお願いします
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