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健康

第11号 胃の痛み…それは焦り?それとも不安?

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 胃が、きりきりと痛むか、どーんと重くのしかかるか、しくしく小刻みに痛むのか…、胃の痛みのメッセージにも、いくつかのバリエーションがあります。

 ああ、締め切り間近だー。

 ああ、支払い間近だー。

 ああ、この企画、どう評価されるだろうー?

 そんな時におこる胃の痛みは、私がみるところ、胃の筋肉が「フリーズ」してしまっていることによるものです。

 …フリーズって?

 YAHOO辞書によれば、

 【freeze】

 1 凍ること。凍りつくこと。また、凍らせること。冷凍。凍結。

 2 核凍結。核戦力を拡大せずに現状のまま凍結させようとする平和運動。

 3 人に対して「動くな」と命令するときに用いる語。

 とあります。

 つまり、胃が緊張してしまって、動きが止まっちゃているという状態ですね。

 皆さん、あまり想像しないと思いますが、胃の動きって、かなりダイナミックなんですよ。

 図にした方がわかりやすいので、『Newton』という科学雑誌から、別冊「新・解体新書」に掲載されていた胃の消化の様子を、2つ拝借してご紹介いたします。

ono11-1.gifono11-2.gif かなりダイナミックでしょ。

 胃がカラッポな状態のときから、食べ物が入ってきて腸に送り出すまで、かなり劇的に胃は動いているんですね。まるで雑巾をしぼるように、食べ物は小腸へと押し出されます。

 胃の筋肉をはじめ、臓器の筋肉は「平滑筋」という筋繊維でできています。これらが共同・協調しながら、それぞれの臓器のダイナミックな動きを演出しているわけです。

 さあ、この筋肉が「フリーズ」すると、どうなるでしょう?

 私たち自身、「動くな!」と言われて、しばらくカラダを動かさない状態を続けると、血流も悪くなるし、筋肉にコリが生じますよね。

 この状態=筋肉の動きに緊張を加えている真っ最中は、感覚は麻痺しているので痛みも生じません。

 でもカラダの緊張って、そんなに長くは続かないので、カラダは揺り戻し作戦によって、感覚に訴える症状を出します。正座なんかで、足に痺(しび)れが出てくるようなのが典型例ですね。

 胃の痛みも、そうしたプロセスで生じます。

 胃の痛みがあるということは、その前に、胃が「かちーん」とフリーズしてしまった状態にあったという証拠。それを取り戻すように、「今、緊張したよー」、「かなり恐かったよー」、とサインが出るのが、痛みなどの感覚症状なんですね。

 私たちが食事をする過程では、イライラしたり、怒りっぽい状態で食べた食べ物は、胃を早く通過してしまうそうです(未消化物が残っちゃう)。

 逆に、不安、恐れ、心配事などを抱えながら食べた食べ物は、胃からなかなか先へ進みません。そう、胃がフリーズしてしまって、あのダイナミックな動きが生じてこないのです。

 皆さん、ちょっと想像してみてもらえますか?かちーんと固まったままの胃に、どんどん食べ物が詰め込まれる様子を。

 柔軟性のない袋に、あれこれモノを詰め込むとどうなりますか?ぎゅっぎゅっと、ムリヤリ押し広げられた袋は、何だかもろくなりやすいですよね。

 それに、かたまった胃の内部には、胃酸も、粘膜を保護する粘液も出にくいですから、ギザギザの食べ物が、胃壁を傷つけることにもなります。

 不安、恐れ、心配という緊張状態のまま食事をするということは、そうしたリスクを背負うということを、ぜひ覚えておいてくださいね。

 緊張状態では、痛みは生じない。でも、それが過ぎ去ったあと、胃はメッセージを送ります。

 「恐かったねー」

 「緊張したねー」

 「どうなるかと思ったよー」

 「いやいや、ちょっと傷ついたじゃないかー」

 胃がキリキリ痛むときは、そうした緊張が短期的にカラダに起こったことの証拠。胃がどーんと重いのは、そうした食習慣が続いて「胃拡張」になりやすくなっている証拠。胃がしくしく痛むのは、傷ついた胃壁の状態がある証拠です。

 いずれも、もとはと言えば、柔軟な胃の働きを止めてしまうような、「不安」、「恐れ」、「心配」が原因なのです。

 もちろん、心配や不安ごとなどは、人間にとってつきものです。でも、せっかく「胃の痛み」というサインが出たときには、そのサインをしっかり捉えて、食事の仕方に注意を向けてみることが大切です。

 今回、図で紹介したような、ダイナミックな胃の動きこそが、健康な胃の状態なんだよ、ってイメージしてもらえると、

 ・姿勢を正して、胃が楽に動けるようにする食事

 ・なるべく楽しく、心理的にリラックスしながら食べる食事

 が、いかに大切かを知ってもらえると思います。

 人間、いつもいつもポジティブにはいられませんから、私は、サインが出てからでいいと思っています。でも、そのサインができるだけ小さいうちに、カラダからのメッセージを受け取り、日常生活に工夫を加えてみること。

 カラダからのメッセージを活用するって、そのような日々の積み重ねなんだと、私は思うんです。

 

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