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第2回 別府温泉郷(大分県)―日本一の共同浴場天国

これぞ!"本物の温泉"

 別府温泉が送ったエール

 「今は、別府行くより、草津行こうぜ。」
そんなキャッチコピーを冠した新聞広告やネット広告が話題になった。広告主は、草津温泉(群馬県)ではなく、別府温泉(大分県)のほうだ。

 1月の本白根山の噴火によって宿泊客のキャンセルが相次いだ草津温泉に対して、別府温泉がエールを送った格好である。

 東の横綱が草津温泉であれば、西の横綱として有馬温泉とともに挙げられるのが別府温泉である。「元気があってこそライバル」という同広告のコピーが象徴するように、どんなビジネスにおいても、たとえ一人勝ちできても業界全体が縮小してしまっては先細りを避けられない。この広告を見た人は、草津にも別府にも足を運んでみたいと思ったのではないだろうか。

 

 「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」

 過去、別府温泉を有名にしたキャッチコピーとしては、「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」がよく知られている。戦前、別府の観光開発に尽力し、「別府観光の父」といわれた油屋熊八氏がつくったコピーで、このフレーズを刻んだ標柱を富士山山頂付近に建てたのをはじめ、全国各地に建てて回ったという。ちなみに、別府地獄めぐりで日本初の女性バスガイドによる案内つきの観光バスの運行を始めたのも同氏である。

 「今は、別府行くより、草津行こうぜ。」の広告は、2016年の熊本地震の影響で観光客が激減した別府温泉が日本中の支援で客足を取り戻したことに対する感謝の表現のひとつであったそうだが、同時に「さすが、別府。油屋熊八氏のDNAが受け継がれている」と思わず膝を打った人もいるだろう。

 油屋熊八氏が謳った「湯は別府」は、決して大げさな表現ではない。別府には源泉が2220以上あり、もちろん源泉数は日本一。湧出量も日本一で、総湧出量は毎分約8万7000リットルを誇る。

それゆえに、別府市街はそこら中に温泉が湧き出している。温泉旅館だけでなく、日帰りの温泉施設や地元の人がおもに利用する共同浴場などが街のあちらこちらに存在する。

 それ以外にも競輪場、喫茶店、歓楽街の路地裏など、意外なところにも浴場が併設されているから驚く。温泉が市民の生活の一部として完全にとけこんでいるのだ。「別府の人は、温泉の上に住んでいる」と言っても過言ではない。

 別府温泉の凄みは量だけではない。温泉の泉質は10種類に大きく分類できるのだが、そのうち7種類の泉質が別府に存在している。そのうえ、温泉文化もバラエティーに富んでいる。温泉の蒸気を利用したサウナ「むし湯」や温泉で温めた砂を体にかぶせる「砂湯」、温泉の蒸気で食材を調理する「地獄釜」など温泉の楽しみ方もいろいろだ。

 別府温泉の魅力を知るには、温泉めぐりをするのがいちばん。数百軒あるといわれる共同浴場には、一般客でも100円程度で入浴できるところが多い。地元の人の生活湯なので湯船だけのシンプルな浴場だが、基本的に源泉かけ流しの本物の湯である。街歩きのついでに、ふらっと共同浴場に立ち寄ってみてはいかがだろう。

 

 共同浴場へ行ってみよう!

 おすすめを1カ所に絞るのはむずかしいが、別府温泉の共同浴場のシンボル的存在である「竹瓦温泉」は外せない。唐破風の屋根をもつ2階建ての木造建築は威風堂々としており、その風格にほれぼれとしてしまう。室内のレトロな雰囲気も風情がある

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 別府温泉が送ったエール

 「今は、別府行くより、草津行こうぜ。」
そんなキャッチコピーを冠した新聞広告やネット広告が話題になった。広告主は、草津温泉(群馬県)ではなく、別府温泉(大分県)のほうだ。

 1月の本白根山の噴火によって宿泊客のキャンセルが相次いだ草津温泉に対して、別府温泉がエールを送った格好である。

 東の横綱が草津温泉であれば、西の横綱として有馬温泉とともに挙げられるのが別府温泉である。「元気があってこそライバル」という同広告のコピーが象徴するように、どんなビジネスにおいても、たとえ一人勝ちできても業界全体が縮小してしまっては先細りを避けられない。この広告を見た人は、草津にも別府にも足を運んでみたいと思ったのではないだろうか。

 

 「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」

 過去、別府温泉を有名にしたキャッチコピーとしては、「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」がよく知られている。戦前、別府の観光開発に尽力し、「別府観光の父」といわれた油屋熊八氏がつくったコピーで、このフレーズを刻んだ標柱を富士山山頂付近に建てたのをはじめ、全国各地に建てて回ったという。ちなみに、別府地獄めぐりで日本初の女性バスガイドによる案内つきの観光バスの運行を始めたのも同氏である。

 「今は、別府行くより、草津行こうぜ。」の広告は、2016年の熊本地震の影響で観光客が激減した別府温泉が日本中の支援で客足を取り戻したことに対する感謝の表現のひとつであったそうだが、同時に「さすが、別府。油屋熊八氏のDNAが受け継がれている」と思わず膝を打った人もいるだろう。

 油屋熊八氏が謳った「湯は別府」は、決して大げさな表現ではない。別府には源泉が2220以上あり、もちろん源泉数は日本一。湧出量も日本一で、総湧出量は毎分約8万7000リットルを誇る。

それゆえに、別府市街はそこら中に温泉が湧き出している。温泉旅館だけでなく、日帰りの温泉施設や地元の人がおもに利用する共同浴場などが街のあちらこちらに存在する。

 それ以外にも競輪場、喫茶店、歓楽街の路地裏など、意外なところにも浴場が併設されているから驚く。温泉が市民の生活の一部として完全にとけこんでいるのだ。「別府の人は、温泉の上に住んでいる」と言っても過言ではない。

 別府温泉の凄みは量だけではない。温泉の泉質は10種類に大きく分類できるのだが、そのうち7種類の泉質が別府に存在している。そのうえ、温泉文化もバラエティーに富んでいる。温泉の蒸気を利用したサウナ「むし湯」や温泉で温めた砂を体にかぶせる「砂湯」、温泉の蒸気で食材を調理する「地獄釜」など温泉の楽しみ方もいろいろだ。

 別府温泉の魅力を知るには、温泉めぐりをするのがいちばん。数百軒あるといわれる共同浴場には、一般客でも100円程度で入浴できるところが多い。地元の人の生活湯なので湯船だけのシンプルな浴場だが、基本的に源泉かけ流しの本物の湯である。街歩きのついでに、ふらっと共同浴場に立ち寄ってみてはいかがだろう。

 

 共同浴場へ行ってみよう!

 おすすめを1カ所に絞るのはむずかしいが、別府温泉の共同浴場のシンボル的存在である「竹瓦温泉」は外せない。唐破風の屋根をもつ2階建ての木造建築は威風堂々としており、その風格にほれぼれとしてしまう。室内のレトロな雰囲気も風情がある

第1回 草津温泉(群馬県)――温泉地の横綱を支える「泉質主義前のページ

第3回 栃尾又温泉(新潟県)――猛暑の夏にこそ訪れたい「ぬる湯」次のページ

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