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<事例―33 ヤナギヤ(B2B)>メーカーになくてはならない製造機械を手掛ける企業・・・それが「ヤナギヤ」だ

酒井光雄 成功事例に学ぶ繁栄企業のブランド戦略

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 ●世界的なヒット商品となった「カニカマ」の製造機械を考案した企業
 
 山口県宇部市にある㈱ヤナギヤ(柳屋芳雄代表)は蒲鉾(かまぼこ)・竹輪・揚げ物・魚肉ソーセージなどの水産練り製品や豆腐、海苔など、食品に関連する製造機械の設計・開発から製造・販売までを行う企業だ。
 
 近年は練り物製造の技術を応用して、化学工業製品(洗浄剤や塗料など)・薬品・飼料の分野にも進出し、売上高は37億4,000万円(2013年3月期)の企業だ。
 
 ヤナギヤの企業名を知らない人でも、世界中にファンがいるカニカマ(蟹にそっくりな蒲鉾)を製造する機械を開発し、世界に販売している企業だと聞けばピンと来る人も多いだろう。
 
 現在カニカマは世界21ヶ国で生産され、その内の18ヶ国でヤナギヤのカニカマ製造機が採用されている。
 
 世界で約45万トンが生産されている内、およそ7割で同社の製造装置が採用され、世界シェアの70%を占めており、魚肉の練り製品加工機械分野では世界トップシェアを誇る。
 
 ●もともとは蒲鉾を製造販売する家業
 
 ヤナギヤは1916年(大正5年)に家業の蒲鉾製造業を継ぎ、柳屋蒲鉾店として創業した。
 
 蒲鉾の製造業を営む中で、当時手作業で行っていた擂潰(「らいかい」と読み、すりまぜるという意味)工程の機械化を模索して開発に取組み、1931年(昭和6年)に専売特許を取得。翌1932年(昭和7年)に柳屋鉄工所を設立して、食品機械製造業に参入した。
 
 蒲鉾製造の中でも人の手による「練り作業」は重労働だったため、その機械化は評判となり、柳屋の擂潰機は全国へ普及していった。
 
 1959年に冷凍スリ身が市場に登場し、同社は新たな原料処理装置として「サイレントカッター」を開発、これが業界の大量生産化につながった。
 
 その後同社は魚肉加工機や蒲鉾型成機などを手掛けていく。1973年にきざみタイプのカニ風味蒲鉾、翌1974年にスティックタイプの「カニ棒」が食品メーカーで開発されたことを受け、1979年にカニカマ製造装置を世の中に送り出した。
 
 1985年に現在のヤナギヤに社名を変更している。
 
 ●法人顧客の要望に徹底的に付き合い、必要とされる製造機械を開発
 
 ヤナギヤのカニカマ製造機械の売上高に占めるシェアは、実は1割に過ぎない。同社は「法人顧客に頼られる企業」をモットーに顧客の要望に徹底して耳を傾け、独自の製造機械を生み出す事業を推進している。
 
 「水産大学校の求めで開発された世界に1台のトラフグの皮を人の手をほとんど介さずにはぐ機械」や「海苔乾燥機」、「ねぎとろ混ぜ機」などがその代表例だ。
 
 
<「ヤナギヤ」の事例に学ぶこと>
 
 企業は最終商品(例えば生活者向け商品)を製造販売する発想だけでなく、最終商品を製造販売するメーカーに部品や製造機械を開発して提供するという視点もある。
 
 その好例が、メーカーになくてはならない製造機械を手掛け、知る人ぞ知る地位を築いているヤナギヤだ。
 
 ヤナギヤと同様にB2Bの事業領域で活躍し、世界的に評価を受けているのがアリアケジャパンだ。アリアケジャパンは業務用の液体エキスを手掛け、食品業界のインテルといわれている。
 
 製造機械のビジネスでは「機械を販売」して終わるのではなく、「リース」や「アフターサービス」「定期的メンテナンス」といった継続的に収益が得られる仕組みを取り入れると、経営はさらに安定する。
 
 
 
 
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