menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

経済・株式・資産

第170話 中国経済の厳しさを示す「4つの20%」

中国経済の最新動向

中国経済は今、成長の勢いを失い息切れの局面に陥っている。政府が早急に景気対策を打ち出さなければ、今年5%の政府目標の実現が危うくなる。

 

第2四半期GDPは大幅に減速

 国家統計局の発表によれば、4~6月期の中国GDP成長率は前年同期に比べ6.3%だった。一見すれば1~3月期の4.8%より高く、成長が加速しているように見える。

しかし、実態は違う。前期比で見た場合、今年第1四半期は2.2%、第2四半期は0.8%。年率換算すれば、1Q9%、2Q3.2%となり、中国経済が大きく減速している実態が浮き彫りになる。

 

昨年4~6月、「ゼロコロナ」政策の下で上海ロックタウンが実施され、中国のGDP成長率が0.4%しか伸びなかった(図1を参照)。今年、「ゼロコロナ政策」撤廃によって、経済活動が正常化し、第2四半期の経済成長率は前年同期比7%以上が市場コンセンサスとなっていた。しかし、蓋を開けて見れば、実績は市場予測を下回る6.3%だった。

出所) 中国国家統計局の発表より。

 

消費、輸出、投資はGDP成長の3大要素と言われる。投資は今年2月以降、伸び率は月ごとに低下している。消費につき、4月がピークで、5月以降は2カ月連続で伸び率が鈍化し、6月は3.1%増にとどまる。輸出は5月からマイナスに転落。うち、5月▼7.5%、6月▼12.4%でマイナス幅が拡大している(図2を参照)。言い換えれば、4~6月はGDP成長の3大要素である消費・投資・輸出はいずれも悪化している。経済減速は当然のことだ。

出所) 輸出は中国税関統計、消費と投資は国家統計局により沈才彬が作成。

次のページ中国経済の厳しさを示す「4つの20%」

1

2 3

第169話 中国輸出構造の2大変化前のページ

第171話 「3Mブーム」がピークアウト次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 沈 才彬(しん さいひん)「爆発する中国経済」CD

    音声・映像

    沈 才彬(しん さいひん)「爆発する中国経済」CD

関連記事

  1. 第194話 中国の新しい流行語「性不況」

  2. 第76話 2016年中国経済3大リスク

  3. 第153話 習近平政権の経済政策が転換へ

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2025年12月17日号)

  2. 第九十一話 客層を変えて事業を伸ばしている理由は、これらの顧客体験の仕組みがあるからです

  3. 第232話 「値上げ」も出来ずに何が経営者か!

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第83回(後編)『視察レポート!世界はますます2極化 勝ち組と負け組の違いは何か...
  2. 人事・労務

    第51話 公正な人事評価のための管理職への動機付け
  3. 税務・会計

    第22回 経理の不正を予防する「3つの対策」
  4. マネジメント

    第230回「単純化」から「掛け算」へ
  5. 社長業

    第56回 「家族主義」という言葉の変遷
keyboard_arrow_up