町を走るガソリン車・外国車が減少、EVや国産車が急増
3つ目のイメージは町を走るガソリン車や外国車が減少し、その代わりに電気自動車(EV)や国産車が急増していることだ。
北京の街では、ガソリン車とEVなど新エネ車が区別されやすい。ガソリン車のナンバープレートは青で、EVなど新エネ車は緑だ。現在、北京市の町を走る車は約2割がEV車、8割がガソリン車。来年1月よりガソリン車のタクシーは走行禁止となり、町を走るEV車の比率が更に高まることになる。
【写真説明】青のナンバープレートはガソリン車、緑はEV車。
近年、中国は「脱炭素」という時代の潮流に合わせ、EVなど新エネ車の普及に力を入れている。その結果、新エネ車は躍進を遂げ、市場シェアが猛烈な勢いで拡大している。中国汽車工業協会の発表によれば、今年1~10月中国新車販売台数は前年同期比9.1%増の2397万台、うちEVなど新エネ車は37.8%増の728万台にのぼる。市場シェアが30.4%を占める。現在、世界で生産・販売されているEVの5割超が、中国製である。
中国EV技術の躍進によって、国内では国産車と外国車の逆転劇が起きている。1~10月にBYD、奇瑞、吉利など国産ブランドの販売台数は1142.6万台、前年同期比22.2%増。市場シェアは55.3%を占め、前年同期より6.6ポイント増えた。逆にテスラを除く外資系メーカーのほとんどはマイナス成長に陥っている。
日系メーカーを例にすれば、今年4~9月にトヨタの中国販売0.3%増を除くと、三菱自動車▼60.1%、SUBARU▼36.7%、日産▼20.3%、ホンダ▼12.3%、マツダ▼7.6%と揃って前年割れとなっている。
中国ではEVの急速な普及によって、外資系メーカーと現地メーカーの競争が激しさを増す。競争に負けた三菱自動車はやむを得ず中国から撤退した。世界販売が好調であるトヨタでさえ天津でのガソリン車生産ラインの一部停止を決定した。日系メーカーの中国現地戦略見直しが迫られる。