今後、大企業は更に経営統合を加速していきます。ちなみに合併とは、お互いのバランスシートの合算手続きのことを言います。
よく、ニュースで、「A社とB社が合併して、年商が○○になり、業界第○位になる」と言われますが、合併は売上など損益計算書の合算ではなく、バランスシートの合算です。
なぜ大企業は今後、合併するのかと言いますと、合併により、一度、バランスシートを大きくできるからです。大きくすればそれだけ処分しやすくなります。リストラや不要な資産処分等、大胆な効率化が可能になるのです。
では、中小企業の今後はどうすればいいでしょうか。
中小企業は、大企業の逆を行かなければなれません。むしろ、小さくしていくのです。
なにを?
売上ではありません。バランスシートです。バランスシートのスリム化を図っていくのです。
「持たない経営」といってもいいでしょう。そうしてもっと身軽になるのです。これ以上、何を捨てるのかという会社にも、無駄なものはかなりあるはずです。
個人にも同様のことが言えます。
20代前半から30年間、事業経営、株式投資、商品取引、不動産等様々な分野に投資を行い、また、多くの方々から財務に関する相談を受けてきた私の結論です。
『ものは持たない』
『常識的な行動では財産は守り抜けない』
『新聞やテレビを見ない』
『あまり人と付き合わない』
日本人は変化を好まない人たちだと言われてきました。
その日本人が、3.11で、古いシステムに頼っていては自分達の身が危なくなっていることに気づいたと言われています。
わたしたち日本人はあまり口には出して言いませんが、3.11で、ものを持つことの大変さに気づいた人も多かったのではないでしょうか。
過去形で表現したのには訳があります。震災当時はそう思っていても、既に過去のことになっている人が多いからです。3.11は私たちのDNAまでは変えなかったのでしょうか。
ものを持っていますと守るものが大きくなり機敏に動きが取れなくなります。結果として、何よりも大切な命が守れなくなることは、震災がなくても日々の生活の中でも分かっているはずです。
しかし、相変わらず、ものを持つ行動は変わりません。
これまで多くの資産家を見てきましたが、持たない方がよかったと心底思っている人は結構います。
持たない。何を?
簡単に言いますと、現金以外持たないことです。
現金は、1万円は1万円ですし、簡単に分割できます。不動産や自社株式のように評価がいくらになるかと言った問題も起きません。
持たないこと=財産を守ること。これは相続のときにも活きる言葉です。
持っていると心配が増える、維持費がかさむ。これは常識です。
相続で揉める主要な原因、ご存知ですか?
まず、土地があることです。次に女性の存在です。
土地は簡単に分割できません。先祖代々の土地に至っては、相続できる人も決まってしまいます。
土地には、良いも悪いも「色」があります。それだけ、揉める原因にもなってきます。
不要な土地があれば、できるかぎり売却して現金化すべきです。専門家の中には、現金は100%課税されるため、節税にならないと言われる人もいますが、課税評価額が下がるからと言って、借金して建物を建てて、本当に残されて人は喜ぶものでしょうか。
節税だけでは片付かないのが相続なのです。
また、女性の存在も揉め事の原因になります。
父が亡くなり、母と息子2人が相続をしたとしましょう。
経験上、息子2人は静かです。が、その息子の嫁が事を荒立てることになります。
「あなた、何、ボーっとしているのよ。私は、この土地は要らないって言ったでしょ。何とかならないの!」
しぶしぶ動く息子は、それにより、兄弟の仲が悪くなることも多々あります。
気をつけたいものです。