ニトリ会長の似鳥昭雄会長は、雑誌プレジデント誌の記事『「私の履歴書」ウラ話公開!』の中で「私自身、ニトリの成功は、自分の力で成し遂げたとは思っていない。運が八割だ。」と述べている。知り合いの健康食品を扱う会社の社長は「起業しても冴えなかったのが、訪日外国人の急増ですごく儲かるようになった。自分は何もしなかったのに、本当にラッキー」という。
会社のみならず個人ベースでも「運がいい」経験、「運が悪い」経験を誰もがする。
どうしたら、チャンスを増やし、それをとらえることができるか。どうしたら、大きな不運に見舞われたときも心が折れず、再起を期すことができるだろうか?
心理学者のリチャード・ワイズマン博士は「運のいい」という人達と「運の悪い」という人達、夫々数百人を集め、8年がかりで行ったインタビューを含む調査の結果を著書『運のいい人の法則』にまとめている。
博士は運がいいグループと悪いグループについてデータをもとにその違いがどこにあるか克明に記し、更に運をよくするための心掛けを提唱している。興味深かった点を中心にまとめると・・・
1. 運のいい人はチャンスを最大限広げる努力をしているし、肩の力を抜いているので、予想外の幸運に気付くことができる。だから、気軽に人に声をかけたり、自宅に呼んだり、人の世話をする、パーティーにいくなどしてよい人脈をつくり、新しい経験にチャレンジするなどすると、幸運に出会うチャンスを広げることができる。
2. 運のいい人は直感で判断する傾向があるので虫の知らせを聞き逃さない。瞑想など直観力を高める試みをするとよい。
3. 運のいい人は自分の幸運を期待するが、こうした想いは実現を呼び込むし、相手をその気にさせるので重要である。
4. 運のいい人は不運のプラス面をみるようにすることで不運を幸運に変えることができる。気分転換を上手に行うことも助けになる。
私自身「チャンスを逃した」という経験を何度も繰り返してきているが、今から考えると、心の積極さに欠け、いつも一歩引いてしまう性分が原因の一端のように思える。アメリカ人などと比べ「謙譲の美徳」を刷り込まれた日本人によくみられる点ともいえる。それで、毎日目標を書きこんだり、私はラッキー、全てうまくいくなど書いて、運を逃さない積極的な心を保つようにしている。
ライフスタイルアドバイザー 榊原節子