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第42回 遅れている日本のファミリー企業研究

欧米資産家に学ぶ二世教育

ファミリー企業研究は、欧米諸国においても1980年以降に始まったそうで、それほど長い歴史があるわけではない。上場、非上場を問わず、ファミリー企業の方が収益率がよいという知見が研究隆盛の発端になったと聞く。

ハーバード、インシアードなど主要大学で研究され、講座が設けられている。どういうテーマが取り上げられているのだろうか?専門家である日本大学大学院教授の階戸照雄氏は、北米の場合は事業承継(22%)、会社業績(15%)企業統治(10%)が主であると述べる。ファミリー企業は不特定多数の株主を有する一般企業とは異なる性格を持ち、異なる問題を抱えるのである。

日本は歴史の長いファミリー企業が多い世界一の老舗大国である。石川県の法師旅館は718年創立、ギネスブック入りしている(かつてのNO1だった578年創立の金剛組は数年前他の傘下入りをしている)。200年以上の歴史をもつ企業が3000社以上、100年以上では10万社強あるとされる。これには養子制度などが貢献しているのだが、何故かその日本でファミリー企業研究は低調である。系統的な調査があまり行われていないからデータそのものさえ不足しているのが現状である。そして世界で研究され、教えられている内容は日本のファミリー企業のオーナー達には届いていないようである。

ファミリー企業の子弟からは、「こうした家に生まれて誇りに思う」といった発言より「ファミリーが継承するのは時代遅れ」「自分は専門職の方がいい」といった発言が目立つように思え、さらにファミリー企業の長所とされる、「収益率の高さ」「早期からの後継者育成」「長期的ビジョン」「地域との密着性」「企業文化の徹底」「会社の評判を大事にする」などに対する社会一般の認識は残念ながら高いとはいえない。経営セミナーの場でも「日本では子弟に継承させようとやっきになる親が多いけれど、欧米ではそんなことはないでしょう?」などの質問がでる。世界中で圧倒的多数を占めるのがファミリー企業であり、同族を含めたファミリーによる継承は彼らの最大関心事の一つであることに変わりはない。

勿論各地域それぞれ特徴があり、例えば日本ではファミリー企業(オーナー系)といわれる上場大企業の場合、創業家の持ち株比率は3-5%と低いが、欧米では議決権の30-40%と高く、(フォード、ウオルマートなど)、たとえマネジメントに参画しなくてもオーナーとして君臨するケースも多い。

日本経済を支えているファミリー企業の研究がより盛んになり、それが日々の経営に資することを願う。

ファイナンシャルアドバイザー

榊原節子 

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