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後継者

第92回 会社の規模は小さくても社会貢献

欧米資産家に学ぶ二世教育

イオングループ名誉会長の話を聞いたことがある。5年程前、会長が85歳のときのことだった。家業の呉服屋を継いだのが早稲田大学在学中の20歳。5名の社員と40坪の社屋であったそうだが、M&Aを繰り返し現在のイオングループを作った。実質的な創始者である。

こと社会貢献に関しては、戦後すぐ岡田屋商店時代から奨学金を出したり、街路に花を植えるなどしていたそうだ。そしてそれを加速させたある視察旅行があったと岡田氏は言う。
 
提携先の米国企業の経営が傾いたので、岡田氏は視察に行った。ところが、その会社は地域社会に助けられて再生しつつあった。「寄付等地域社会に貢献し続けてきた企業」に対する地域の人の心が温かったことに岡田会長は感銘を受ける。ほどなくして「イオン1%クラブ」の宣言がされたのが1989年のことである。爾来税前利益の1%を寄付にあて「地域振興、環境保全、国際的な交流・人材育成」等をテーマに数多くの事業を行ってきたという。イオンの1%は大きく、そのプロジェクトは文字通り地球儀を俯瞰している。
 
しかし、私が興味を持ったのはイオンがまだ四日市の小さな岡田屋商店のときから社会貢献活動をしてきたという点であり、米国の提携先が地域の支えで再生したという話である。小さい企業でも、いや小さいからこそ、社会貢献活動の意義は大きいのではないだろうか?
 
とくに会社の得意分野での貢献は有効だ。ジオ・サーチという会社は社員150名ほどの会社だが、路面下空洞探査システムの技術を有し、残留地雷探知技術を開発、カンボジアにおける地雷撤去の貢献活動をいち早く始めた。何回か冨田社長にお会いしたが、「こうした貢献活動をすることは社員の誇りでもあるのです」と言っていた。東日本大震災でも大活躍している。
 
自分の得意とするスキルを活かして社会貢献することをプロボノという。典型的な例は弁護士や会計士が無料でNPOを助けたり相談にのるケースである。スタッフたちのモチベーションアップになり、教育的効果もある。同様に東日本大震災のとき、避難所で食事を提供したすかいらーく。それが「おもてなし」を教える研修となったと聞いた。
 
どんな社会貢献活動をするかは夫々だろう。社員が行っている貢献活動を応援する、得意の技術を用いての貢献、などなど。それが社員の誇りとも、モチベーションアップとも、研修の場ともなるのである。また地元への貢献で地域との密接な関係が築かれていれば、万が一迷惑をかけるような状況(騒音、悪臭、火事など)に対してのリスクヘッジともなろう。
 
最近ユニクロがグラミン銀行グループと提携してバングラデッシュでソーシャルビジネスに乗り出した。最貧層で購入できる価格帯での商品の現地生産、販売を始め、利益は全てビジネスの拡大に使うと発表された。新しい形の社会貢献として注目されている。
 
家庭においても、たとえ少額でも毎年、家族で検討して寄付をしたらどうであろうか。それを子ども主体で行えば、他人のためを思う心を養うことになり、また親子のコミュニケーションアップにもつながろう。
 
 
                       ライフスタイルアドバイザー 榊原節子

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