前回、分譲マンションの「 商品企画 」には「 市場追随型 」と「 市場喚起型 」が有ると申し上げました。
前回は、マンションの「 商品企画 」は「 製販一体 」で取り組み販売員に参加意識を持たせる事が重要と申し上げました。
その一番大きいメリットは販売担当者が「 商品企画 」会議に参加した事で販売物件を「 参加意識 」を持って顧客にセールストークできる事だと申し上げました。それに依って顧客の質問にも、即座に回答でき、顧客から信用を得やすい事だとも申し上げました。顧客が販売担当者を信用してくれれば、その時点でその物件は確実に売れています。
更にディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を「 商品企画 」会議に参加させる事は、顧客の生の声を「 商品企画 」に反映させる事ができるとも申し上げました。販売担当者が直接、顧客との対応で生の声を聞いていますので、その生の情報を次の新規分譲マンションの「 商品企画 」でおおいに活用できるメリットを申し上げました。
さて、今回はマンション等の「 商品企画 」は「製販一体」で取り組み、更にその「 商品企画 」会議に外部の知恵を取り入れて
「 マンネリ化 」を打破する事が、売れる住宅やマンションを創り出すのにとても重要だという事をお話致します。
この様な事を申し上げますと、かなりのディベロッパーが「 うちはもう既に外部の専門家を使っていますよ。」と、よくおっしゃいます。処が良く聞いてみますと「 外部の専門家 」の方が参加していますのは、もう既に「 商品企画 」や「基本設計」完了後なのです。
具体的に申し上げれば、設計が完了した建物の外観の味付けや、住戸の間取り決定後のインテリアコーディネートなのです。
私が申し上げたいのは「 商品企画 」会議の時点で「 外部の専門家 」を参加させる事が重要なのです。その様に致しませんと「 マンネリ化 」した「 商品企画 」の商品に、ただ後付で「 ○○○の厚化粧 」しただけになってしまいます。
「 商品企画 」会議の時点で「 外部の専門家 」を参加させる事に依り「 マンネリ化 」を打破し、新しいマンションや住宅の配棟、住戸プランが生まれる可能性は大きいのです。
僭越ですが具体的に私の例で申し上げます。あるディベロッパーのマンション「 商品企画 」会議の時点で参加致しまして感じました事は、用地購入時点の「 ボリュームチェック 」プランでマンションの設計を進めようとしていましたので、そのやり方は売れない方向に向っていると、まず警鐘を鳴らしました。
そして、設計事務所の方にアドバイスし、まず配棟からやり直してもらいました。全ての住戸が南向き、東南東向きか西南西向きになり、専有面積の減が生じない様、その場で私が拙いスケッチを書き「 この様な配置で再度検討して下さい。絶対に専有面積は減らさない様に御願い致します。」と設計事務所の方に御願い致しました。一週間後にその設計事務所から提出された配棟計画図はほぼ私が書いたスケッチと同じで、住戸の向きも良好、専有面積は増えていました。
専有面積が増えた理由は私がスケッチを書いた時に無駄な「 共用施設 」を「 商品企画 」会議の時にメンバーのコンセンサスを得て整理したからなのです。
そして更に「 商品企画 」のバックボーンとなる新しい「 コンセプト 」を提案致しました。私の作る「 コンセプト 」は計画地周辺の方々の現状のライフスタイルを調査し、その現状のライフスタイルの1歩先行くライフスタイルの提案です。運良く私の提案致しました「 コンセプト 」が「 商品企画 」会議のメンバーの賛同を得まして、そのプロジェクトのバックボーンになりました。
住戸プランもその「 コンセプト 」に基づいて、私がスケッチを書きそれを実現化致しました。カラースキーム( 色彩計画 )も、今までの「 マンネリ化 」を打破致しまして、壁紙、建具やキッチン等の色やテクスチャーを根底から変えました。
結果は即、完売に近いものになり、ディベロッパーの方に喜ばれました。自画自賛の様な文章になってしまいましたが、いつも付き合っている設計事務所を使うメリットを活用し、更に私の様な「 外部の専門家 」を「 商品企画 」会議に参加させて、スパイスを入れると違った美味しい味付けの「 商品 」が生まれるのです。
ディベロッパーの方々に進言致します。是非、外部の知恵を取り入れて「 マンネリ化 」を打破し、売れるマンションや住宅を創って下さい。微力ではありますが、私でよろしければ協力を致します。
以上
碓井民朗