■土踏まずのないハイヒール
英ロンドンの建築家兼デザイナーであるジュリアン・ヘイクス(Julian Hakes)氏は、足に螺旋状に巻き付くような画期的で美しいデザインの「モヒート(Mojito)」というハイヒールを考案し、世界中で話題となっている。
橋の建築デザインをしていたヘイクス氏は、2つの場所をつなげる橋と同様に、ハイヒールも体重は足指付け根と踵だけにかかるので、「土踏まずの箇所には本来底は必要ないのでは」と考え、底がない斬新な形に辿り着いたという。
私は10数人の人にこのハイヒールを試してもらったが、皆、「履き心地もよく、安定感もある」という感想で、実用性もありそうだ。
ヘイクス氏は靴のデザインを学んだことがないために、木型から靴を作るということに囚われず、これまでの経験を活かした発想で世界を魅了するハイヒールを生み出した。
■素足に近いサンダル
パリ在住のデザイナー、オリヴィエ・タコ(Olivoer Taco)氏が開発した、できる限り素足に近い感覚で歩くことを追求した「イグアナアイ(iGuaneye)」というサンダルも面白い。
タコ氏は2008年まで、家具や家電のデザインを手がけており、釣り用のサングラスやサイクリング用のヘルメットなどを世に出すなど、靴とは別の分野で活躍していたが、2009年に「iGUANEYE」プロジェクトを開始、今年9月18日に世界で初めての専門店を東京南青山にオープンした。
このサンダルは、大航海時代以前のアマゾン・インディオの人達が、ゴムの木から採った樹液を足に浸し、薪の煙でいぶして足を保護することでジャングルを自由に駆け巡っていたことをヒントに、できる限り素足に近い感覚を作り出し、自然環境と自分の体を感じながら歩けることを追求している。
両サイドが浅く最初は脱げそうな感じもするが、日本の下駄や草履、足袋からの発想で、親指とその他の指が分かれていて足指に力が入るためバランスが取りやすく、これを履いて歩くと健康にも良さそうな気がしている。
ジュリアン・ヘイクス氏もオリヴィエ・タコ氏も靴とは別の分野で活躍していた人なので、斬新な発想は案外このような門外漢の人から出るのかも知れない。
新しい事業などを考える場合にも、新鮮な発想を持つ外の人や、全く違った分野が参考になるものと思われる。
======== DATA =========
●Mojito(モヒート)
ジュリアン・ヘイクスジャパン
TEL:042-713-3461
販売店:西武渋谷店A館 2F 婦人靴売り場
カラー:17色
価格:¥38,850
サイズ:36,37,38,39 (23.5cm~26cm対応)
●イグアナアイ(iGUANEYE)
価格:9,000 円(税抜)
サイズ: 全8サイズ EUR 36~43 (23cm~27.7cm)
カラー:ボディの6色、インソールの6色 36通りの組み合わせ
販売店:iGUANEYE Aoyama Main Store
所在地:東京都港区南青山5-6-14
Tel: 03-6427-2703