平日の朝、通勤の会社員などに一杯100円で味噌汁を提供する「マルコメ号」という黄色い屋台風キッチンカーが話題になっている。
国内みそ出荷量は「食の多様化」により年々減少、2010年は43万トンとこの10年間で14%減(全国味噌工業協同組合連合会)となっているが、国内みそ市場の約20%を占める最大手のマルコメは増収増益を続けている。
それは、この状況を打破するためのいろいろな試みが功を奏しているためで、3年前に出した液状の味噌「液みそ」が発売3ヶ月で100万本を出荷する大ヒットとなったのを皮切りに、新商品を次々に開発している。
昨年10月には、仕事場でお茶やコーヒーを飲むように手軽にみそ汁が飲めるオフィス向け小型みそ汁サーバーの「椀ショット」を発売、すでに5,000台以上が売れているし、つい最近売り始めた、砂糖を一切使っていない「糀ジャム」は、発売早々品切れになるほどの売れ行きとなっている。
1月19日から登場したみそ汁の移動販売車「マルコメ号」も、最近は連日のようにマスメディアにも取り上げられ、毎日50杯以上売れている。
マルコメ号では、お客は3種類(合わせ、貝だし、5年味噌)から1種類のみそを選び、6種類(とうふ、わかめ、ねぎ、油揚げ、チーズ、キムチもやし)の具材から2種類を選べ、注文すると、搭載されている3台の業務用のみそ汁サーバーを使ってすぐに温かいみそ汁が出てくるので、寒い日には暖まり、美味しかった。
通常は東京・高田馬場駅前のマルコメ東京支店の前で、月~金曜日7:00~10:00に早朝営業を行ない、出勤前のサラリーマンやOLに「モーニング味噌汁」を提供しているが、今後は屋外イベントや展示会など、全国各地にも出動するという。
■塩麹
最近「塩麹」がブームになっており、書店には塩麹の作り方やレシピ本などが数多く並べられているが、この麹菌は日本の環境でしか育たないもので、日本特有の文化だ。
塩麹には発酵済みの完成品も売っているが、生や乾燥した米麹を買ってきて、それに塩と水を加え手でよくもみほぐし、常温で一週間程毎日混ぜて麹菌を発酵させて作るのが一般的だ。
麹菌は米などに生える過程で、でんぷんを糖に分解するアミラーゼ、タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼという3つの酵素が生まれるし、酒蔵や味噌蔵など、麹を扱うところで働いている人達のように、塩麹作りで毎日混ぜていると本当に手がツルツルになるので女性に人気になっているようだ。
先日、塩麹に漬けた根菜類を揚げて食べてみたところ、人参の甘さやごぼうの苦味が引き立ったが、旨味成分が出て料理を美味しくするので、隠し味や調味料として利用は拡大しそうだ。
マルコメのみそ関連商品や塩麹など、今年は麹が注目される年のようだ。
======== DATA =========
●マルコメ
http://www.marukome.co.jp/
●椀SHOT
http://www.1shot-club.com/
●プラス糀 麹ジャム
http://www.marukome.co.jp/kouji/
●やまき生塩麹 350g
価格:735円
http://shop.gnavi.co.jp/goyougura/event/namashiokouji/?sc_cid=ski_spot_ad090401&gclid=CN3wrMbygK8CFcgopAodzlHw1Q
●有機米 塩麹の素 270g
価格:695円
http://inyolife.com/shiokouji.html