パソコンやスマートフォンから実店舗への集客を目指す、「O2O(オンライン・トゥ・オフライン)」の実証実験として、9月4日~10月7日の間、東京・銀座で「銀座スマートスタンプラリー」が開催されている。
この企画は、Androidスマートフォンで専用アプリをダウンロードして参加する、銀座の人気店舗を巡るスタンプラリーで、参加店の店頭に置いてある「NFCタグとQRコード」が付いたタグプレートにNFC対応スマートフォンをかざして、QRコードを読み取ることでスタンプを集めていくというものだ。
スタンプラリーのコースは、銀座熊本館やおいしい山形プラザなど、各県のアンテナショップを巡る「アンテナショップめぐりコース」、松坂屋銀座店や銀座若菜などの有名店を巡る「銀座でHappyを見つけようコース」 、三越銀座ダイニングや銀座コアなどを巡る「のんびり過ごす銀座の一日コース」 、東京鳩居堂や教文館を巡る「銀座をまるごと楽しもうコース」 の4つで、それぞれ5つの店舗を巡る合計20店舗が参加している。
アプリの操作も簡単で、4つの中からコース→行く店を選ぶと、タグプレートが設置されている場所の写真や営業時間が表示され、その後、その場所に行く道順が書かれた地図が出てくるので、それを見ながら歩いていけば辿り着けるようになっている。
私がやった「銀座でHappyを見つけようコース」では、案内所にある松坂屋や、資料コーナーにある三愛ドリームセンターは気楽にスタンプを獲得できるが、店内に入らなければいけない銀座若菜や幸煎餅などでは、スタンプだけもらって帰るのが気が引けて、ついつい買い物もしたので、店舗への集客効果も期待できると思われた。
この実験は、東京都と国土交通省が推進する「東京ユビキタス計画」 の公募実験の一環で、「いつでも、どこでも、だれでも」が必要な情報にアクセスできる「ユビキタス社会」を実現するための情報インフラを整備するために、2005年から行われているが、これまでに銀座、上野動物園、浜離宮、新宿都庁などで様々な試みが行われている。
私は初期の上野動物園の実験にも参加したが、この頃はスマートフォンはもちろんなく、ケータイでQRコードを読むことも目新しかった時期で、専用の機械を借りて動物園内の看板などが発する情報を読み込むというものだった。
これに比べると、ここ6~7年のスマートフォンやGPS位置情報サービスの普及は、「ユビキタス社会」へ大きく近づいた感がある。
また、今後多くのスマートフォンに搭載されると思われる近距離無線通信の国際標準規格であるNFC (Near Field Communication)も今回利用されているが、これは「かざす」だけで、誰でも簡単にデータ通信が可能になる10cm程度の範囲の通信で、おサイフケータイやスイカやパスモなどの非接触ICカードとも互換性があるので、今後普及が期待される。
今回の銀座スマートスタンプラリーは、スマートフォンさえ持っていれば「だれでも」できる企画になっており、技術の進歩と機器の普及が世の中を変えつつあることを実感した。
======== DATA =========
●銀座スマートスタンプラリー
http://smartstamp.ginza.kokosil.net/
●銀座スマートスタンプラリーAndroidアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.uctec.ucdroid.ucapp.ginza.smartstamp
●東京ユビキタス計画
http://www.tokyo-ubinavi.jp/
●NFCポータルサイト
http://www.nfc-world.com/about/01.html