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経済・株式・資産

第76回「著名投資家に学ぶ②、ウオーレン・バフェット」

会社と社長のための資産管理講座

明日の予測すら難しい株式市場について、著名投資家の教訓に学ぶというシリーズの第二弾は、ウオーレン・バフェット。近年、投資家としても世界的大富豪としても度々話題になっているのでご存じの方も多いはずだ。

バフェットは、1930年に生まれ84歳にして現役の経営者である。NY証券取引所の時価総額でベスト10に入る世界最大の投資会社 バークシャー・ハザウェイの会長兼CEO。バークシャーは保険業に分類されるが、コカ・コーラやP&Gなどの優良企業の筆頭株主や大株主で、その総資産は約63兆円、従業員数約34万人にもなる。1965年から40年間でNYダウの上昇率が14倍に対して、同社株は8,200倍にも上昇した。ウオール街ではなく、郷里のネブラスカ州オマハに居住するため「オマハの賢人」と呼ばれる。
 
このバフェットの投資手法も前回紹介したテンプルトンと同じで、「割安株」かつ「長期投資」のスタイルである。長期投資は『ハイリスクでも歴史的に最もハイリターン』ということが多くの研究で実証されているが、長期では景気循環のほかにバブルの発生と崩壊、地政学リスクなど様々なリスク要因がある。したがって、成長企業に投資しても長期投資はハイリスクと考えざるを得ない。バフェットなどが行う長期投資の核心は、「常に個別銘柄の研究を行い、相場全体が低迷した時期に優良銘柄を購入して長期保有すること」が大成功の秘訣といえる。私たち個人投資家にも大いに参考になるシンプルな方法だ。
 
バフェットの銘柄選別の判断基準として代表的な特徴は次の通り。
圧倒的なブランド力と競争力がある消費者独占型企業
一株利益が強い増加傾向にあること
ROE(自己資本利益率)が充分に高いこと
多額の負債を抱えていない企業であること
企業規模維持のために多額の内部留保が不要であること
内部留保を投資や自社株買いに使うことができること
インフレを販売価格に転嫁できる企業であること
ビジネスモデルが分かりにくいIT企業などでないこと
 
この基準で保有する主要銘柄は、経営成績では米国No.1の優良銀行であるウエールズ・ファーゴ、コカ・コーラ、IBM、アメリカン・エキスプレス、ウオルマート・ストアーズなど、日本人にも馴染み深い企業であり、地道な企業研究の重要性を再認識させられる。
                                    以上
 

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