先代社長があまり成績の良くない営業マンをつかまえて、「営業の仕事って何や?」と訊ねられ、その営業マンは「えっ?売上をつくることです。」と答えた。
「それが間違ってるんや。おい人事部長!どんな教育してんねん。」と矛先がこちらに向いたのには参った。
「ええか。売上をつくるって具体的にどうすんねん?君らがつくるのは、売上をつくるんやない! “売上が上がる状態”をつくるんや!」と言われ、なるほどと思った。 以来、売上目標に対して必ず、
「その売上目標が達成している状態とはどのような状態か?」との質問から成長対話を切り出すことを徹底的に実践した。
●既存顧客のどなた様に対して、既存商品を
どれだけお求めいただいている状態なのか?
●既存顧客のどなた様に対して、新規商品を
どれだけお求めいただいている状態なのか?
●新規顧客のどなた様に対して、既存商品を
どれだけお求めいただいている状態なのか?
●新規顧客のどなた様に対して、新規商品を
どれだけお求めいただいている状態なのか?
売上の内訳のように見えるが、これで終わらせては何の意味もない。
それぞれに“いつまでに”お求めいただくのか?そして、“どのようにして”お求めいただくのか?
この“どのようにして?”との策について、より具体的になるまで繰り返し掘り下げて成長対話する事が大切である。
先代社長は、「誰だって必要ないものはいらん。「欲しいなぁ」って言っていただけている状態として、“必要性を感じていただいている状態をつくる”事が大事や!そうすれば必ず売上は上がる!」と言われていた。
当社は建設機械のレンタル業が主な業態のため、必要性がないときはどうあがいても絶対に借りていただけない。であれば、必要性を感じていただける機会をつくってあげればよい。
当社の場合、建設現場を一緒に見つけてあげれば、(もしくは、そのきっかけを情報提供してあげれば)その現場に必要な機械のレンタル需要は発生する。そうすれば必ず当社から借りていただける。
(余談だが、よく「ニーズを探ろう!」などとコンサルタントが言われるが、これからの時代、『ニーズは顧客と一緒に創るもの』である。)
そういう意味でも、何のために、誰に対して、何を、どれだけ、どのようにして、いくらで、いつまでに、どのような状態にするとの“未来への意思表示”としての綿密なストーリー性のある『計画づくり』を社員一人ひとりが考えらるきっかけとして、上長は丁寧に良い質問をする“成長対話”ができるようになる事がこれからの時代は極めて重要である。