menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

社員教育・営業

第18話 売上をつくるんやない!

東川鷹年の「中小企業の人育て」

 先代社長があまり成績の良くない営業マンをつかまえて、「営業の仕事って何や?」と訊ねられ、その営業マンは「えっ?売上をつくることです。」と答えた。
 
 「それが間違ってるんや。おい人事部長!どんな教育してんねん。」と矛先がこちらに向いたのには参った。
 
 「ええか。売上をつくるって具体的にどうすんねん?君らがつくるのは、売上をつくるんやない! “売上が上がる状態”をつくるんや!」と言われ、なるほどと思った。 以来、売上目標に対して必ず、
 
 「その売上目標が達成している状態とはどのような状態か?」との質問から成長対話を切り出すことを徹底的に実践した。
 
  ●既存顧客のどなた様に対して、既存商品を
         どれだけお求めいただいている状態なのか?
 
  ●既存顧客のどなた様に対して、新規商品を
         どれだけお求めいただいている状態なのか?
 
  ●新規顧客のどなた様に対して、既存商品を
         どれだけお求めいただいている状態なのか?
 
  ●新規顧客のどなた様に対して、新規商品を
         どれだけお求めいただいている状態なのか?
 
 売上の内訳のように見えるが、これで終わらせては何の意味もない。
 
 それぞれに“いつまでに”お求めいただくのか?そして、“どのようにして”お求めいただくのか?
 
 この“どのようにして?”との策について、より具体的になるまで繰り返し掘り下げて成長対話する事が大切である。
 
 先代社長は、「誰だって必要ないものはいらん。「欲しいなぁ」って言っていただけている状態として、“必要性を感じていただいている状態をつくる”事が大事や!そうすれば必ず売上は上がる!」と言われていた。
 
 当社は建設機械のレンタル業が主な業態のため、必要性がないときはどうあがいても絶対に借りていただけない。であれば、必要性を感じていただける機会をつくってあげればよい。
 
 当社の場合、建設現場を一緒に見つけてあげれば、(もしくは、そのきっかけを情報提供してあげれば)その現場に必要な機械のレンタル需要は発生する。そうすれば必ず当社から借りていただける。
 
 (余談だが、よく「ニーズを探ろう!」などとコンサルタントが言われるが、これからの時代、『ニーズは顧客と一緒に創るもの』である。)
 
 そういう意味でも、何のために、誰に対して、何を、どれだけ、どのようにして、いくらで、いつまでに、どのような状態にするとの“未来への意思表示”としての綿密なストーリー性のある『計画づくり』を社員一人ひとりが考えらるきっかけとして、上長は丁寧に良い質問をする“成長対話”ができるようになる事がこれからの時代は極めて重要である。

 

第17話 利益とは『ご利益の代償』や前のページ

第19話 目標がある人は強い ノッている人は強い 攻めている人は強い!次のページ

関連記事

  1. 第34話 「自創経営における人格能力の育み その4 思考方法編(1)

  2. 第1話 「人こそすべて、人が企業」

  3. 第37話 「自創経営における人格能力の育みその7 思考方法編(4)」

最新の経営コラム

  1. 今月のビジネスキーワード「人的資本経営」

  2. 第93話 右肩下がりの業界であっても!

  3. 第70回 「家系図のはなし」

ランキング

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第161話 「波紋を呼ぶ相続税対策」
  2. マネジメント

    これぞ経営者。横河電機・美川英二の「家族主義」と「利益への執念」
  3. 人間学・古典

    第29回  「なぜくだらない物なのか」
  4. マネジメント

    情報を制するものが勝利を手にする(11)民衆の力を信じて国境を開く...
  5. マネジメント

    第177回 社長と孤独
keyboard_arrow_up
menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ