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社員教育・営業

第26話 原因管理とプロセス管理を仕組み化せよ

東川鷹年の「中小企業の人育て」

もう30年以上前になるが、先代社長がたまたま本社にいらっしゃった時に、営業会議があったので同席された。
 
その場では、各営業所長が先月の出した結果の売上数字を順番に報告していた。
 
その最中、先代社長が割って入り、「何を眠たい事言うとんねん。出した数字なんて、資料を見れば誰でも判る。終わった事をなんぼ言うてもしゃぁないやろ!大切な事は、これからどうするかやろ!
 
おい、総務部長、結果管理したところで何の意味もないやろ。原因管理とプロセス管理が重要やという事をしっかりと教育せぃ!!」と、言い放ち、その場を退って行かれた。確かにおっしゃる通りである。
 
その後、席に戻った時、先代社長に呼び出され、「あれやったら会議のために会議をしてるみたいやで!これからの打つべき手を“議”論するために人が集まる“会”が会議やで。
 
あれじゃ、時間とコストががもったいないだけや。これからは会議せんでもいいように、原因管理とプロセス管理を仕組み化せよ!」との指示が下った。
 
それから、もともとの命題にあった、“全社員を『任すから任せるに足りる人』に育てる”ための仕組みづくりの要として、《人が育つ目標管理》を徹底的に勉強し、模索を積み重ねた。
 
そして、全社員が自分の立場・役割を認識した上で“出すべき結果”と“取るべき行動”:(原因管理)“出した結果”と“次なる手立て”:(プロセス管理)を、目に見える形にする道具が必要であることに気付いた。
 
それから、年間目標と年間計画を目に見える形にする“チャレンジシート”が出来あがった。ただ、これだけでは、社員の行動は変わらず、絵に描いたモチで終わるのがオチである。
 
そこで、チャレンジシートから月間目標、月間計画、週間目標、そして日時の行動計画へと順に落とし込み、全社員が《地に足のついた行動》が取れるツールとしてランクUPノートが誕生したのである。
 
ランクUPノートには、月単位、週単位、日時単位で、“出すべき結果”と“取るべき行動”を目に見える形にする仕組みとなっており、全社員の原因管理が明確となった。
 
また同時に、このランクUPノートには、日時単位、週単位、月単位でそれぞれに、“出した結果”と“次なる手立て”を書く仕組みになっている。
 
これによって、全社員の仕事の経過が手に取るように解り、プロセス管理も出来るようになった。
 
全社員が同じツールを使っているからこそ、誰でも、いつでも、見ても良いというルールにする事によって、上司と部下のコミュニケーションツールとして、おおいに役立つものとなった。
 
そして、このコミュニケーションの事を、“出来る方法”を上司と部下が一緒に考える“成長対話”と呼ぶようになった。
 
今では、社内のほとんどの会話が、この成長対話となっており、全社員が日々、“出すべき結果”や“取るべき行動”、“出した結果”に対して、“次なる手立て”を話し合う仕組みとなっている。
 
その結果、今では会議をする必要がほとんど無くなった。日報も廃止となった。対話の時間が増えるが、その分、仕事の段取りが格段に良くなり、成果は上がりながらも、残業時間は減った。
 
管理職の管理すべきは、部下の“出すべき結果”と“取るべき行動”としての原因管理と、“出した結果”と“次なる手立て”としてのプロセス管理の2つである。
 
部下の行動のすべてを監視する事は出来ない。もちろん、心や頭の中を観る事は出来ない。ましてや、数字だけを眺めていても何も変わらない。しかし、ランクUPノートさえあれば、部下の過去、現在、そして将来までもが見渡せ、打つべき手が見えるようになるのである。
そして、何より全社員が、自分のノートを自ら活用する事によって、人から指示されたり、与えられるのを待っている社員ではなく、“自ら考え行動する人”に育つ事が最大のメリットである。
 

 

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