「コミュニケーションを身につけさせるためには」
◆「コミュニケーションをテーマにした社員教育の方法」◆
コミュニケーションを自分から心掛けると、仕事をすすめるうえで様々な利点があることを前回の「自分から心がけるとどのようなことが起こるか」で説明をいたしました。今回は、身につけるために必要なことを説明していきます。
「Communication」という言葉の動詞である「Comunicate」の原義は「他人と共有する」とあります。共有しようとする“もの”や“こと”を感じ取って、それらを身についた自分の“もの”や“こと”にしなければなりません。そのために最も大切なことは、感性を磨くことです。
いかに対象に対して敏感に反応できるかということが重要になります。では、感性を磨くにはどうしたらよいでしょうか。二つの角度から考えてみましょう。
1、興味・関心・好奇心を持つ
「観る」 …「見る」は、目にうつるすべてのもの。例えば目を閉じてパッと視界が開けた時、私たちは瞳にうつる全ての物を漠然と見ています。これが「見る」です。「観る」はある物をフォーカスして観るという意味です。seeとlook atの違いでしょうか。
「聴く」 …「聞く」はたった今、耳に入ってきたすべての音。「聴く」は心を傾けてその音を聴き分ける。
「体験する」 …人は体験したことを話す時、話す熱意がより大きくなります。おいしそうに並んでいるケーキを見たのと食べたのでは違いますね。
「読む」 …どんな分野のことでも、どんな媒体ででも(新聞、テレビ、パソコン、マンガ…など)活字に貪欲になる。ひとりの人間が見たり、聞いたりできることには限界があります。活字は時間枠を超えて私たちに情報や知識をもたらしてくれます。
「話す」 …おしゃべりを楽しむという意味での「話す」ではなく、お互いが良い意味で刺激しあえる内容を「話す」です。ある事柄についてお互いが知っている内容を伝えることが大切になります。
以上を認識して、見聞きしたものを頭の中にひとつでも多くストックしていくと、情報収集力の訓練になります。それが「Commnicate」するときの“もの”や“こと”になるのです。
2、朝晩、目にとまったプラスのことを5つずつメモをする
朝は自宅から会社までの間に感じたプラスのこと、晩は会社から自宅までの間に感じたプラスのことを書きます。プラス事項の内容は、本当に些細な事で構いません。なぜなら、「人は些細な事で喜び、些細な事で悲しむから」です。
例えば
●駅までの信号が三つ続いて青だった
●歩道のプランターにパンジーが咲いているのに気がついた
●店員さんの笑顔が印象的だった
●電車で運良く座れた
●雨が上がって空に星が見えた
●エレベーターがすぐに来た
●荷物を運んでいたら手伝ってもらえた
などなど、これらを一ヶ月続けると約300、一年続けると約3600の些細なプラスが積み重なり、いつの間にか感性を磨くことにつながります。
研修の中で特に「2」については受講生にとても良い反応と効果があります。「目からウロコでした」、「物事を考えるのに肯定的になった気がします」、「マイナスの中にもプラスを見つけられるようになりました」等の感想もいただきます。ぜひ、皆さんの会社でもお試しください。